アジアフードトレンド

健康意識の高まりと住環境の変化から、都市部で家庭菜園が人気に

ベトナム
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食の安心安全への不安から家庭菜園に注目

ホーチミンを中心に、家のベランダや、オフィスビルの屋上などで家庭菜園を始める人たちが、都市部を中心に増えている。ベトナム料理では毎食と言って良いほど、生野菜を摂取する。家庭菜園での人気が高いのも、こうした食べる機会の多い、ミント、アジアバジルなどの香味野菜の他、生育がしやすいミニトマト、キュウリなど。
この家庭菜園ブームの背景には、ベトナム国内で広がる食の安心安全への不安がある。近年、農薬や化学薬品で汚染された輸入野菜・果物や、国産の肉や魚に保存料や着色料を使用している件など、食に関わる報道をよく見聞きする。また、外食文化が根づいているベトナムではあるが、レストランや食堂で使用する食材への不安が拭えないことから、低農薬や安全性の高さを訴求した認証つきの食材を購入する健康志向の人が増えつつある。

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戸建てから集合住宅へと移り変わる住環境も
家庭菜園人気を後押し

昨今では都市部の住環境は大きく変化し、戸建てから高層マンションなど集合住宅へ移り住む人たちが若い世代を中心に増えている。そのような世代に、ベランダやテラスなどの限られたスペースを有効利用しつつ、安心して食べられる野菜が作れる家庭菜園が人気となっている。
また、都市部での家庭菜園ブームに乗り、手軽に野菜や果物を育てることができるキットの販売やアフターケアを行う業者も登場。初心者や都市で働く忙しい人のニーズを汲み取り、菜園のスターターキットやアフターサービスを提供する「lisado」ではスペースやプランターの数、設備にもよるが1か月10万ドン(約500円)の会費で月に2〜3回程度の訪問を行い、剪定やメンテナンス、生育に関するアドバイスなどを行なっている。コンクリートで囲まれた住環境に、安らぎの効果を感じるという反応や、子どものいる家庭では、食育にも役立つとあって評判は上々だ。

Lisado YouTubeページ