都市型鉄道「Dhaka Metro」が部分開通
ICカードでの乗車や女性専用車両が設置
人口が急増するバングラデシュの首都ダッカで、初の都市型鉄道の「Dhaka Metro」が2022年12月28日に部分開通した。ダッカメトロの整備事業は、日本が事業費の多くを貸与し、車両はJR東日本の山手線とほぼ同じ形で、国旗にちなんだ緑と赤色が施されている。改札機で使うICカードは、日本で普及する電子マネーの通信規格「FeliCa」が採用され、女性専用車両も設置されている。慢性的な渋滞で車の場合、約2時間かかる道のりを約40分で結ぶ予定となっており、将来的にはダッカの東西南北を移動できるようになる。2023年4月時点は部分開通・午前中のみの開通であるが、メトロを見たい、メトロに乗ってみたいという人で毎日多くの人が駅を訪れている。
深刻な渋滞解消やCO2排出量削減として
都市鉄道の整備が今後も進められる
世界でも有数の人口稠密地帯であるダッカ首都圏。2001年時点で1,000万人を超えていた人口はその後も増加を続け、2025年には2,500万人を超えると試算されている。しかし、都市内交通としての鉄道は全く存在せず、交通需要は道路交通に集中しており、交通渋滞の深刻化が予想されている。このような状況を打破するために、2000年代からダッカでは都市高速鉄道の構想が練られるようになり、東西を結ぶ地下鉄の作成も進められている。都市鉄道の整備が進めば、ダッカ市内の渋滞緩和に加え、排ガスの排出量の減少などにより、大気汚染の緩和や温室効果ガスの削減にも貢献が見込まれる。さらに、女性専用車両の設置により、女性が安心して移動できるようになれば女性の社会進出の後押しにもつながると考えられている。