ムスリムとしてファッションを楽しめる
スイムウェアブランドが人気上昇中
イスラム教徒であるマレー系が人口の半分以上を占めるマレーシアは、イスラム国家として生活スタイルや文化、ファッション、食などに関して中近東の影響が大きい。クアラルンプールをベースに創設されたスイムウェアブランド「Matsalleh Design (マッサラデザイン)」は、これまであまりなかったファッションとしてのイスラミックスイムウェアを展開し、人気上昇中だ。価格は上下+ヒジャブのセット一着でRM162(約5,130円)ほど。
イスラムファッション全体でいえば、若い女性のイスラムとファッションの考え方(例:覆い隠す面積など)は変化していないが、ボーダレスになるつつある洋服も高品質や新しい素材が出てくる中で、そうした素材を取り入れ、インターナショナルに流行るトレンドを取り入れたり、モダンかつハイセンスなファッションが求められている。統計によると、2050年までに世界のムスリムの人口は全世界人口の30%にも及ぶとされているために、ムスリム関連ビジネスはマレーシアに限らず世界から注目されており、国内外からマレーシアへの投資も増加傾向にある。
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休暇を楽しく過ごすための
ムスリムスイムウェアが支持される
マレーシアの学校は体育で水泳の科目がないため、暑い国であるのにも関わらずウォーターアクティビティに親しんでいる人は少ない。マレー系においては、スイムウェアを着ること、男女混合でウォーターアクティビティをすることは、問題外であり、ウォーターアクティビティの機会は少ない。これまで海岸地域に住んでいる人たちは海で遊ぶのも普通の洋服のまま、都会の人が海辺へ旅行となるとプールの中でも、下はスパッツ、上はTシャツというスタイルだった。その次にショップで見かけるようになってきたのは、スポーツメーカー「スピード」や「アリーナ」などのスイムウェアで腕も足も半分隠れるようなものだった。しかし、何回も行くはずもないウォーターアクティビティのために当時は高価格だったスポーツスイミングウェアを買おうという人はほとんどいなかった。
ここ最近、富裕層やアッパーミドル層が増えてきたことにより、旅行産業も盛り上がりを見せ、国内・海外旅行に行く人は増えており、女性はそのためのファッションアイテムを購入することにも余念がない。そのため、「Matsalleh Design (マッサラデザイン)」のような「水の中で泳ぐ」ということにフォーカスしない、「バケーションを楽しく」と着ていて心地よい、そして楽しくなるようなモダンムスリマスイムウェアが支持されている。また、マレー系の人々でも日焼けに対する意識が高くなっており、衣類にUVカットも施してあるところも喜ばれている。