食・飲料

カンボジアの若者カルチャー発信地/ホテル跡地を活用した「The WOODS」

カンボジア
facebookでシェア
Twitterでツイート
Loading

ホテルの跡地を活用したデザインが受け
予約なしでは入れないほどの盛況ぶり

2023年春にプノンペンの中心地にオープンしたBarレストラン「The WOODS」が、連日若者が集まる人気スポットになっている。もともとその場所にはリゾート風の人気ホテルがあったが、コロナ禍に閉店。The WOODSはホテル時代の庭やプールを改装した内装になっており、鉄パイプなどの建築材がむき出しのデザインで、工事中のように見えるこのテイストがカンボジアの若者世代に“新しい”として人気のスポットとなった。平日でも予約なしでは入れないほど盛況となっている。人気の背景にはこのような店内の雰囲気だけでなく、ビールの販売プロモーションも一役買っている。店内で提供されるビールの銘柄は、週に何度も替わる事があるほど頻繁に入れ替わり、「6本オーダーすると3本無料」などのプロモーションが施されている。また、毎週のように有名アーティストのライブが開催されており、チケット制ではなくワンオーダー制を採用し、ビールなどのお酒の販売を促進している。

飲酒運転の取り締まり強化により
タクシーアプリの利用者が増加

コロナが落ち着きをみせた2022年頃から、カンボジアでは「Hanuman」、「VATTANAC」、「Krud」といった新しいビールメーカーが市場に参入。「Angkor」ビールの独占時代に終わりを告げ、ビールの競争が激化している。これらのビール会社は人気アーティスト(シンガー、バンド、ラッパー)のスポンサーとなり、広告に起用しながら芸能活動の支援を行っている。このようなビールと芸能人のコラボレーションを巧みに活用する店が増えており、The WOODSがその代表例だ。また、以前は車やバイクによる飲酒運転に寛容だったカンボジアも、飲酒運転の取り締まりが強化され、高額の罰金が課されるようになってきた。その結果、若者の間でお酒を飲む際はTukTuk(三輪タクシー)を利用する人が増えている。The WOODSではカンボジア発の大手デリバリー会社「NHAM24」のモビリティサービスと提携し、The WOODSへの往復を無料で利用できる新サービスを導入。店内の雰囲気と飲食、そしてライブも楽しめ、飲酒運転の心配もないという点も、プノンペンの若者に受け入れられている要員となっている。