罪悪感なく楽しめるスイーツとして
20~30代前半の女性を中心に人気
ココナッツジュースは東南アジアで天然のスポーツドリンクとも称されるほど、カリウムやマグネシウム、ナトリウム、カルシウムなどの栄養が豊富。そんなココナッツウォーターや果実ジュース、ピューレを原材料にしたフローズンデザート「smooze!」が、マレーシアの20~30代前半の女性を中心に注目されている。シンガポール発で2023年よりマレーシアの高級スーパーでも販売を開始した。植物由来で乳製品や合成着色料、合成香料、保存料は不使用でグルテンフリー。ハラル認証取得済みで、ベジタリアンやヴィーガン向けにも対応している。パッケージデザインはカラフルで目を引くイラストが特徴で、通常のマルチパックアイスクリームとは一線を画している。主力商品はIce Barの「ココナッツウォーター」「四季橘(カラマンシー)&ココナッツウォーター」の他、ココナッツミルクを利用した乳製品不使用の代替ヨーグルトCogurtの「ストロベリーコーグルトスムージー」、「カシスコーグルトスムージー」などがある。1本60グラムで53カロリー、標準小売価格は60g×4本で18.5リンギット(約600円)、80g×6本で24.9リンギット(約803円)。「アイスバーのZ世代」をキャッチフレーズに、InstagramやFacebookを中心にプロモーションを展開。スポーツを好む女性たちから「エクササイズ後のギルトフリーな経口補水液としても楽しめるスイーツ」という声も。高級スーパーと一部のオンラインサイトで販売している。
食の多様性に対応したココナッツウォータ
健康的な側面にも注目が高まる
マレーシアはマレー系、中華系、インド系の三大民族を中心に多民族国家であり、それぞれの宗教や文化に基づき食の制限が存在する。イスラム教徒は豚肉や酒を避け、一部の中華系やヒンドゥー教徒はベジタリアンやヴィーガンを実践している。また、日刊紙「NEW STRAITS TIMES」の記事によると、マレーシアの消費者の約61%は、果物や野菜など健康に良い食べ物の摂取を増やしたいと考えている。この傾向は特に世帯月収が10,970リンギット(約35万4,000円)以上の高所得者層で顕著で、彼らは健康への意識が高い。ココナッツウォーターを使用することで、多民族国家の多様な食の要求に応えるだけでなく、健康的かつ高品質な製品への潜在需要を掘り起こしている。