人気のハンバーガーショップなど
若者に人気の店舗が続々とオープン
ジャカルタの日本人街といわれるブロックMエリアが、レトロな雰囲気を持つ古びた建物や日本語の看板が若者に人気で注目されている。コロナ禍以降の賃貸料の低下に伴い、インドネシア人の若い経営者たちが新たな店舗を続々とオープン。ボリューム満点のハンバーガーショップの「Lawless Burgerbar Blok M」、行列が絶えないコーヒーショップの「TOKO KOPI TUKU」、人気のドーナツ店の「OO Donut」、ライブミュージックカフェの「M Bloc Live House」などが、若者たちで賑わっている。
特に「M Bloc Space」というスポットは、20年以上放置されていた造幣局官舎がアーティストや有名建築家の協力で再生され、カフェ、レストラン、オリジナルグッズのショップが集まるコミュニティスペースとして生まれ変わった。「M Bloc」には、インドネシア産の原料を使用したお菓子やコーヒー、紅茶、チョコレートなどを取り扱うスーパー「M bloc Market」もある。テンペのチップス「HAPPYTEMPE」、インドネシア産カカオを使った「Chocolate Monggo」、高級コーヒー「Kopi Luwak」(コピ・ルアク)などが販売されている。現金は使用不可でクレジットカードやQR決済などの支払いのみという、現代的なシステムが導入されている。
2019年のMRT開通以降
若者文化が根付く新たなトレンドエリア
ブロックMは、ジャカルタ在住の日本人にとっても馴染み深い場所。戦前のオランダ統治時代には外国人用のエリート住宅街として開発され、1950年代から1970年代には日本人駐在員とその家族が暮らしていた。しかし、1970年代以降、日本人の居住地が変わると、ブロックMは日本食レストランや居酒屋、スナック、カラオケが集まる夜の歓楽街へと変貌。インドネシア人にとってはアクセスが悪く、渋滞が常態化することもあって、避けられるエリアとなっていた。しかし2019年にMRTが開通し、車を使わないミレニアル世代のインドネシア人がブロックMに足を運ぶようになり、日本食レストランや新しいカフェに少しずつ関心をもたれ始めた。そして、コロナ禍が終わりを迎えると、ブロックMはさらに大きく変貌を遂げた。かつての賑わいを取り戻しつつも、若者文化が根付く新たなトレンドエリアとして生まれ変わった。オランダ統治時代からの歴史を持ちながらも、時代に合わせた変化を続けるブロックMは、新しいビジネスやトレンドの発信地となっている。