漢方薬を配合したカクテルが人気の
本格オーセンティックバー「药剂师」
浙江省杭州市内にオープンしたオーセンティックバー「药剂师(=薬剤師)」は、カクテルに漢方薬を配合したメニューを売りにしており、オーナーバーテンダーは内モンゴル出身だ。中医学を学ぶ友人との雑談からアイデアが浮かんだという。主な客層は、リラックスや癒しを感じたい20代後半~30第の女性と、国内外からの観光客(バーは世界遺産の西湖から徒歩5分の位置)。
日本人トップバーテンダーがオープニングでゲストバーテンダーを務めるなど、“変わり種”ではなくスタンダードでハイクラスなバーとして注目を集めている。人気カクテルはその名も「薬」。価格は1杯90元(約1,480円)前後。平日でもほぼ満席で、週末は予約必須だ。
伝統的素材をモダンアレンジした
カクテルが続々と登場し人気に
「バーでカクテルを飲む文化」は、日本よりも中国都市部の方が一般市民に定着しており、アジアバーランキングでもここ1〜2年、中国国内のバーが順位を上げている。中国独自のカクテルを模索する店も増えており、唐辛子や花椒を使った四川系カクテル、中国茶を使ったカクテルは多くのバーで既に定番になりつつある。また、北京には2014年に中国の伝統酒である白酒を使ったバーもオープンしており、現在も変わらず注目されているなど、伝統的な素材を若者目線でアレンジしたカクテルは常に注目されている。
「薬剤師」のカクテルは、アイデアがユニークなだけでなく、カクテルや漢方について熟知しているオーナーが手がけている点も評価されている。古い漢方薬局をイメージしたインテリア、これにミスマッチなようでしっくりくるポストロック、ファンクなどのBGM、一流ホテルのバーと比べてもレベルの高さを感じるサービスなど、海外の有名バーを知る欧米人観光客からの評判も良いという。まだオープンして1年足らず。メディアへの露出も徐々に増えており、知名度が上がればさらにバー業界に影響を与えていく存在になることが予想される。