「blank me」や「珀莱雅」など
中国コスメブランドの市場規模が拡大
2023年に中国ブランドの化粧品市場規模が約8,000億元に達し、初めて海外ブランドの市場規模を上回るなど、近年中国ブランドの化粧品の成長が著しい。ECサイト「天猫」のデータによると、2023年11月11日の大規模セール「双11」では、販売開始から4時間の売り上げ第1ピーク時において、化粧品部門では「花西子(Florasis)」、「彩棠(TIMAGE)」、「blank me」、「毛戈平(MAOGEPING)」、スキンケア部門では「珀莱雅(PROYA)」、「薇诺娜(WINONA)」、「夸迪(QUADHA)」、「自然堂(CHANDO)」などの中国ブランドが、ランキングの上位20位にランクインした。
化粧品部門でランクインしたZ世代に人気の「blank me」は、2016年に上海で設立された、中国人の肌に特化した化粧品の研究・開発を行うベースメイク専門ブランド。下地クリーム(EC販売価格:30ml、290元、約6,000円)は、高い保湿力と共に潤いや光沢感を提供し、透明感を演出して10時間以上崩れないと高く評価されている。Z世代に支持されているコスメセレクトショップ「WOW COLOUR」では、入口付近で大々的に取り扱われ、実店舗での販売も好調。
スキンケア部門で人気と売上げともにトップを誇るのは、20代から40代まで幅広い年齢層から支持を得ている「珀莱雅」。2003年に杭州で設立された、18年間にわたり肌の再生技術に注力してきたスキンケア専門ブランド。シリーズの中で最も高価なエイジングケア用スキンケアクリーム(EC販売価格:100ml、289元、約6,000円)は、保湿力と浸透力に加え、ほうれい線や目尻のシワを目立たなくする効果があるとして特に人気が高い。
中国人の肌に合った国産ブランドを支持する傾向に
SNSやライブコマースを契機にヒットしたブランドも
中国ブランドの人気が高まった理由の一つとして、品質の顕著な向上が挙げられる。海外ブランドの方が良質だと思い購入していた消費者も、意識が変化してきている。また、欧米人向けに配合された海外化粧品よりも、自分の肌に合った国産化粧品の方が良いと考えるようになり、なおかつ輸入品よりも安価ということも大きな要因となっている。
中国ブランドは、 Z世代をターゲットにしたオンラインでの製品の販売やプロモーションに力を入れている。「淘宝」や「京东」、「小红书」などの大手ECサイトでの口コミや、「抖音(中国版TikTok)」のライブコマースの拡大により、 2023年のオンライン市場での売上が4,000億元を突破した。
「皮可熊(PinkBear)」は、SNSで流行したピンクのビーバーキャラクター「赞萌露比(ZANMANG LOOPY)」とのコラボ商品がヒットしたブランド。実店舗販売に加えて、天猫や抖音でライブコマースを行い、オンラインで月間20万件以上の購入件数を達成している。設立間もないメーカーでも、キャラクターやアートとのコラボやライブコマースを通じた宣伝の相乗効果により、好奇心旺盛なZ世代や若者を中心にヒットに繋がる可能性を秘めている。