食・飲料

中国の新消費トレンド「軽養生」/五穀素材や黒ゴマを使った商品が続々登場

中国
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カフェドリンクやジェラートなど
大ヒット商品を皮切りに多様な商品が登場

米・豆・麦などの五穀素材や黒ゴマを取り入れた「軽養生(プチ健康)」系の商品・飲料が、中国で若年層を中心に広がりを見せている。軽養生とは、日常の飲食に滋養価値を取り入れ、健康とおいしさのバランスを重視するライフスタイルである。

黒ゴマは以前から、脱毛の悩みや美容意識の高まりを背景に、「黒芝麻丸」などのスナックとして一部で人気を集めていたが、2025年に茶百道(ChaPanda)が冬季限定商品として発売した「豆乳黑麒麟(黒ゴマを中心とした五黒+豆乳+餅)16元/450ml」が、発売初日に20万杯、1週間で100万杯を突破する大ヒットとなったことで、一気に大衆化した。これを機に、黒ゴマはドリンクだけでなく、タルトなどの菓子分野や、黒ゴマ×抹茶、黒ゴマ×コーヒーといったアレンジ商品へと拡大し、外食チェーンにも波及している。


また、米・豆・黒麦などの五穀素材を使用した商品も増加している。オープンから2年で全国1,300店以上に拡大したジェラート専門店「野人先生」の米フレーバー人気をきっかけに、飲料、RTD、菓子分野へと展開が広がっている。さらに、2026年には格力高(Glico中国)の「五紅五黒」シリーズ(約20元/個)や、高麗人参、ウコンなどの漢方素材を取り入れたSHOT商品も登場し、“日常に取り入れる養生”として市場はさらに多様化している。

若年層の健康に対する価値観の変化から
従来の漢方や薬膳が再解釈され商品化

近年、中国では日常の飲食に滋養価値を見出し、健康とおいしさのバランスを重視する若者が増加している。こうした中、「轻养生(軽養生)」という考え方が広がってきた。背景には、長時間労働や夜更かし、ストレスによる健康不安の高まりに加え、「楽しみながら健康も維持したい」という若年層の価値観の変化がある。

中国では、このようなライフスタイルを「朋克养生(不健康な生活を送りながらも健康を意識すること)」と呼び、2025年以降はさらに「新中式養生」への関心が高まっている。新浪財経などの中国メディアでも、中式養生関連コンテンツの閲覧数増加や、若年層の養生消費意欲の高まりが報じられている。また、「既要享乐,又要健康(楽しみも健康も両方欲しい)」という価値観の浸透により、従来の漢方や薬膳がドリンクやスイーツ、SHOT飲料など、日常的に取り入れやすい形へ再解釈され、商品化が進んでいる。