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七輪を囲んでお茶をする「圍炉」が大人気!レジャー感覚でお茶を愉しむ新スタイル

中国
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週末レジャーの一つとして若者の間で人気
ECサイトなどで関連商品も続々と登場

2022年の秋口から、自然の美しい屋外や新しいスタイルの中国茶館で、お茶を愉しむ「圍炉」がトレンドになっている。圍炉とは、自分で七輪に火をおこしてお茶を淹れ、その横でみかんを焼いたり、ひまわりの種を食べたりしながらお茶をすること。中国版Instagramとも呼ばれているSNS「RED(小紅書)」の、2022年12月中旬のデータによれば、圍炉関連の投稿は8万を超え、関連するページの閲覧数は累計で1,200万回以上、90日間で100万を超えるインタラクションを記録するほどの人気となっている。
古き良き時代の中国文化が感じ取れる圍炉は、古臭くていかにも若者が嫌いそうだが、若者にとってはそれが新鮮でオシャレという感覚があり、週末のレジャーの1つとなっている。この流行りに合わせ、圍炉を商品として出す茶藝館やカフェが増えている。北京の「拾一区・茶书房」は、岩茶をメインとする茶藝館だが、陽の光が優しくさす小部屋を利用した圍炉が人気に。成都の火鍋店「吼堂老火锅」では、ウェイティング時間に無料で圍炉の提供を行っている。
また、中華式BBQと捉え、ECでは茶器と炉などをセット販売するショップも出てきた。圍炉の進化系として、山西省の「并州大排档」 では、お茶がワイン(ホットワイン)に変えられ、58元(約1,110円)で提供している。コーヒーでも同様の動きがみられるが、「中国文化」と「他国文化」が融合したケースが増えている。

自国文化を見直す”国潮”ブームに加え、
ヒットドラマに使用されたことが人気の背景

中国ではここ数年、自国文化を見直す「国潮」という潮流があり、特に若者を中心に復古的なものが流行る傾向にある。2022年夏にヒットしたドラマ「夢華録」で、ヒロインがお茶を淹れる姿が優雅だと話題になり、舞台となった宋代のお茶文化にも注目が集まった。このドラマが、圍炉人気のきっかけの一つともいわれている。
コロナ禍で人との交流が制限されたことやゼロコロナ政策時のストレスによって、若者にはインタラクティブなコミュニケーションや健康で身体によいことが求められる傾向にある。この若者のインサイトにマッチしたのが、レジャー感覚でお茶を楽しむ圍炉だった。