パンダンリーフを練り込んだバンズに
好きなトッピングを挟み込み蒸して食べる
インドネシアやマレーシアなど暑い地域でよく使用される甘い香りのするハーブ、パンダンリーフ。2019年現在、このパンダンリーフを使った蒸しパン「ROKUPANG」が全国展開し、人気を集めている。店舗は屋台スタイルが主流で、パンダンリーフを用いたバンズに、チーズやチョコレート等のトッピングをふんだんに挟み込んでから蒸した状態で提供する。最後に蒸すことで、パンのやわらかさが増すだけでなく、中身まで温かい状態で食べられる。
5月にオープンしたチレゴン店で一番人気のメニューは、シルバークイーンチョコレートにチーズをトッピングしたものと、クリームチーズにオレオを砕いて混ぜたものである。とうもろこしチーズやソーセージといった惣菜系のトッピングもある。価格はひとつ15,000ルピア(約112円)前後で、基本のメニュー以外に好みのトッピングを追加できる。バンズのサイズは手のひら程度の大きさだが、トッピングにボリュームがあるため満腹感が得られる。
伝統的なお菓子を従来とは違う調理法で
SNS映えするひと工夫もブームの理由
生地にパンダンリーフを練りこんだROTI PANDAN(パンダンのパン)は古くから庶民の間で親しまれてきた。近年は、伝統的なお菓子を、これまでと異なる調理法で提供する動きが活発になっている。ジャワ島の名物焼き菓子バクピアも、蒸したものが行列ができるほど人気を呼んでいる。
こうした背景に加えて「ROKUPANG」は、ふんだんにチーズをかける豪快な調理工程や色使いが、SNS映えすることもブームの後押しをしている。同店以外にも、オリジナルのパンダンリーフ蒸しパンをROKUPANGとして提供する店も増えていて、ROKUPANGという名称は屋号ではなく固有名詞になりつつある。