なにげない日常のVlogが
若者を中心に人気
会社員や受験生などの間で、なにげない日常を動画で撮影しアップするVlog(ブイログ、ビデオ+ブログの造語)がトレンドになっている。従来の「文章と写真」で構成されたブログを「文章と動画」の形態に変えたもので、20~30代の若い世代を中心に人気である。グルメVlogの第一人者ともいわれるハン・シヨン(SIYEON HAN)は、購読者数は20万、コンテンツ累積ビュー数は3,200万を超えるほどの人気だ。彼女がよく行く近所の食堂にはファンが訪れ、またVlog内に映ったお酒やお菓子なども話題になっている。また、元ジムのトレーナーで3児の母のYeosuUnnieも人気である。
視聴者は彼女たちのような一般人のVlogを通して自分の生活、生き方との類似点を発見し、共感する。または、まったく経験したことのない生活、生き方に触れ、疑似体験を楽しむ。Vlogを通して知る多様な生き方をもとに、自分の可能性を模索しているともいえるだろう。Vlogをきっかけに、オンラインやオフラインのクラスに参加して、趣味活動をはじめたり、それが高じて仕事にしたり、SNSマーケットで自作の商品を直接販売したりする人も増えている。
未来に備え、自分の可能性を模索
そのヒントで手段となるのがVlog
韓国の若い世代は、文章よりも動画に慣れ親しんでいる。それも大衆的で華やかなテレビ番組よりも、他人の日常を垣間見ることができるものを好む。個人メディアが発達し、自分の好きな動画を各自スマートフォンで楽しむ若者が増えたことが、Vlogが流行った背景にあるといえる。彼らは現状に安住せず、何が起こるか分からない未来に備えて、代替進路やチャンスをつかむための可能性を探ろうとすると同時に、趣味の活動で生活をより充実させようとしている。また、この世代はタマンチュ(多様な生き方に出会い、可能性を追求することを短縮した言葉)世代ともいわれ、特定Vlogの購読者になり、多様な人たちの生活を垣間見ているだけではなく、自分でもVlogを発信し、アイデンティティーと個性を表現し、自分の可能性を見出そうとする傾向がある。