農村で休暇を過ごす「チョンカンス」
癒しを求める韓国のMZ世代の間で人気
韓国では、休暇の過ごし方として「ホカンス(=ホテル+バカンス)」などがトレンドとなっており、最近で村(農村)での休暇「チョンカンス(=農村+バカンス)」が話題となっている。自然の中の小さな村が、MZ世代に人気の休養地として脚光を浴びている。総合コミュニケーショングループ「KPR」の「KPRデジタルコミュニケーション研究所」によると、最近1年間の国内旅行に対するソーシャルビッグデータを分析した結果、「チョンカンス」というキーワードが顕著に増加したという。特に若年層には、煩雑な都心を離れて自然を感じられるローカル旅行が人気で、Instagramで検索すると1万7,000個余りがヒットする。チョンカンスはホカンスのように少人数ではなく、グループで過ごすバカンスで、必須なものは「おばあちゃんの花柄パンツ(冷蔵庫パンツとも)」と呼ばれる、ゆったりとしていて涼しいモンペと麦わら帽子。旅行先となる田舎の、おばあさんの家を連想させる古民家はキャンセル待ちが必須であるほど人気が高い。 大釜を使った焼き肉やサツマイモ焼き、星空観賞などのアクティビティを実施しているところもある。そうした自然の中での素朴な体験に共通するのが”ヒーリング”であり、「チョンカンス」という言葉に「俗世脱出」のようなワードが関連して付随していることからも、「チョンカンス」に都会を離れた閑静な場所での癒しが求められていることがわかる。
この投稿をInstagramで見る
物価高などの影響から観光の国内回帰!?
観光地化されていないローカルスポットが注目
抑えられていた海外旅行の需要が爆発したが、ウォン安ドル高や原油高によるインフレーション、航空券の高騰などで、最近は休暇を意味する英単語「ベケフレーション」という単語までできた。 休暇費用に負担を感じたMZ世代が比較的安価で楽しい休暇の行先として国内に目を向け、昨今の「ハルメ二アル」ブームとレトロブームも相まって、昔を彷彿させる田舎の農村やおばあさんの家を思わせるインテリアが注目されたことから人気が高まった「チョンカンス」。 また、田舎の素朴な趣を味わいながら都会生活とのバランスを取るライフスタイル、ラスティックライフ(素朴な生活)人気も「チョンカンス」を支えている。 MZ世代たちは観光地化されていない田舎にスポットを当て、誰も体験していないような田舎生活をInstagramに投稿することでも癒しやエモさを味わっている。 KPRデジタルコミュニケーション研究所のキム·ウンヨン所長は「COVID-19以後、有名観光地を訪れる旅行より特別なテーマ観光と私だけの場所、本当のローカルを探すといった旅行が人気を呼んでいる」としている。