美容・健康

マレーシアコスメの新たな潮流!インフルエンサーブランド&サステナビリティが鍵

マレーシア
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SNSを活用し、顧客にダイレクトにアプローチ
マレーシア発のブランドに追い風

韓国ブランドが依然としてアジアのコスメ市場で強い影響力を持つ一方、マレーシア市場ではインフルエンサーが主導する新興ブランドが急速に台頭している。特にコスメ情報を専門に発信するインフルエンサーがブランドを立ち上げることで、既存のフォロワー層にダイレクトにリーチでき、初期の顧客獲得を優位に進めている。創設者自らがTikTokなどのSNSで積極的に情報発信を行い、製品の魅力や使用方法を伝えることで、ブランドの認知度と信頼性を飛躍的に高めているのが特徴だ。また、消費者ニーズの多様化、女性だけでなく、男性のメイクアップ需要が増加していることも、市場拡大の追い風となっている。

現在の市場トレンドを牽引しているのは、リップケア製品である。単なる保湿機能だけでなく、「ふっくらとしたツヤのある唇」を演出するプランプ効果やグロス効果を併せ持つアイテムがZ世代を中心に絶大な支持を集めている。具体的には、インフルエンサーのChandraがプロデュースしたリップバターや、HYGRが手掛けるリップバームなどがその筆頭である。これらの製品は、韓国コスメのトレンドである「ぷっくりとした唇」の要素を取り入れつつ、価格帯やカラー展開をマレーシア市場に最適化することで、消費者の「なりたい姿」を的確に捉えている。

一方で、市場のベンチマークとなる韓国ブランドでは、Fweeの「リップアンドチーク ブラーリープディングポット」と、それを詰め替えて持ち運べる「ミニチュアキーリング」が人気を博しており、利便性やカスタマイズ性といった新たな付加価値が消費者に評価されている。

 

 

マレーシアでの消費者の意識も高まり
サステナビリティもブランドの重要な訴求ポイントに

近年の世界的な環境問題への意識の高まりは、マレーシアのコスメ市場にも大きな影響を与えている。消費者の間では、製品の品質だけでなく、ブランドの社会的責任や環境への配慮を重視する傾向が強まっており、多くのブランドがサステナビリティを意識した製品開発へと舵を切っている。この潮流を的確に捉え、成功を収めているのがHYGRだ。同ブランドは、高品質な自然由来成分の使用といった製品力に加え、サステナビリティをブランドの中核に据えることで、環境意識の高い消費者から強い支持を獲得した。マーケティング戦略としては、TikTokを積極的に活用し、製品紹介や創設者自らが出演するメイク動画を通じて、ブランドの透明性や世界観を効果的に伝えている。

さらに、HYGRは詰め替え可能なデオドラントやリップバームといった製品ラインナップを揃えることで、廃棄物削減に貢献する姿勢を示し、消費者からの共感を集めている。このようにマレーシアのインフルエンサー発ブランドは、独自のスタイルや環境配慮の要素を取り入れることで、今後、さらなるブランドの多様化と成長が見込まれる。