AI製茶機を使用し、味の均一化を確保
おしゃれなパッケージがZ世代に人気
全世界に500店舗を構えるドリンクスタンド「SHARE TEA」を経営する歇腳亭集團(シェジャオティンジートゥアン)が手がけた、新しいタイプのティードリンクショップ「UG TEA」が台湾のZ世代の間で大人気だ。台北、高雄、台中で展開する各店ではAI技術が採用されており、その詳細は明確にされていないが、台湾初のAI製茶技術によって味の均一化と7秒間でお茶が淹れられるというスピードアップを実現させている。客は待ち時間を短縮することができ、店側は常に品質が同じドリンクが提供できることから最先端のドリンクスタンドとしてSNSやネットニュースで話題となっている。
消費者のネットの声を統計するサイト「網路温度計(ワンルーウェンドゥジー)」のドリンクスタンド部門のランキングで7位にランクイン、1位から6位が台湾で定番人気の茶湯會、50嵐、Coco都可などの大手ショップにも関わらず、健闘している。看板メニューの「三窨十五茉(サンインシーウーモー/45元)」は台湾緑茶ベースのジャスミングリーンティー。15房分のジャスミンの花の香りと緑茶の香りが楽しめ、甘さはオーダー時に無糖、微糖、半糖など好きな甘さに調整可能。無糖でもジャスミンによるほんのりとした甘味を楽しめるという点がヘルシー思考のZ世代に評価され、2024年にオープンして以来、毎日全店合わせ1,000杯以上を売り上げている。
また、Z世代に人気の3人組音楽ユニット「告五人(ガオウーレン) Accusefive」をイメージモデルに起用、ヒット曲「你要不要吃哈密瓜(メロン食べない?)」をイメージしたメロンミルクティ「哈瓜奶茶(ハーミーナイチャ/75元)」を期間限定で販売し話題となっている。ここ2、3年ほど台湾では台湾茶をブレンドしたアルコールドリンクがブームとなっているが、「UG TEA」もジャスミンティー+ワインの「十五茉微醺」を店舗で提供し、これもヒットしている。Z世代からはおしゃれなパッケージが人気があるほか「AIを使用している点が今までにないドリンクショップだし、味も良いので気に入っている」と好評。
若年層をターゲットにした広告戦略が成功
無糖ブームの中、健康的なドリンクとして支持
コロナ以降から台湾の飲食店では人手不足が問題となっている。AIを店舗運営に活用したことでスタッフの仕事の負担を削減し、少人数で運営するスタイルは理にかなっており、 「UG TEA」はオープン時から大きな注目を浴びていた。白とグリーンを基調としたデザインの店舗外観、ドリンクカップ、持ち帰り用のバッグがおしゃれであると若者に人気。旬のミュージシャンを起用し大々的に広告を出したこともヒットの要因となっている。また、ここ5年ほど台湾ではドリンクスタンドが提供する「手搖飲(ショウヤオイン)」と呼ばれるティードリンクやタピオカなどが入ったドリンク、ジュースは糖分過多であると健康被害のネットニュースが毎日のように報じられている。「UG TEA」では無糖のティードリンクをメインで扱い、素材から抽出される甘味を大切にし、健康的なドリンクというアピールも消費者からの支持を得ているようだ。





