LINEのチャット画面で展開する小説が
無料で楽しめるサービス「Joylada」
タイのEブックストア「Ookbee」が手掛ける小説投稿アプリ「Joylada」が、読書好きの学生から人気を集めている。2017年7月のスタートから1年余りで、利用者は200万人/月、投稿者は45万人に上る(2018年10月時点)。
Joyladaの特徴は、登場人物たちのLINEのチャット画面を追う形でストーリーが展開していく「チャット形式小説」。画面をタップするたびに次のセリフが表示され、実際のチャットを覗いているような臨場感を楽しめる。利用者は、13~24歳の女子学生が多く、学校の長期休暇期間中にはタップ数が10億回/日を超えるという。
2018年12月投稿のホラー小説『ラートリーの花(ドークマーイ・ラートリー)』は、大学時代の仲間がリスト順に謎の死を遂げる中、呪いの正体を暴こうとする20代の若者が主人公のチャット小説。タイ人が大好きなホラーに、男性同士の恋愛要素も含まれており、SNSで人気が拡散。サイトで人気となった小説は製本・出版される。
長文が苦手な若者でも
読みやすいフォーマットで人気を獲得
タイ電子取引開発機構(ETDA)によると、10代から30代前半の世代のインターネット利用時間は1日当たり10時間を超え、このうち3時間以上がSNSに費やされている。
Ookbeeは、現代の若者は普段からLINEなどのチャットに親しんでいる一方、長文の読み書きが苦手であることから、利用者が気軽に小説を投稿したり読むことができるようにチャット形式を導入したという。スタート当初は、実在の韓国アイドルを主人公にしたフィクションがK-POPファンの間で話題となり、Twitterを通じてJoyladaの魅力が広まった。K-POPアイドルのフィクションが7~8割を占めるほか、ホラー小説などが人気となっている。
利用は無料で、誰でも簡単に読むことができる。広告非表示のVIP利用料は45バーツ(約135円)/月。また、Joyladaはタイ国内に留まらず、インドネシアやマレーシアなどにも進出している。