オンラインショッピングやデリバリーを
きっかけに電子決済を多く経験
タイではCOVID-19を機に、モバイルバンキングやスマホ決済の電子マネーの利用が急速に広がっている。タイ・カシコン銀行リサーチセンターの調べによると、モバイルバンキング及び電子マネーの利用回数は、COVID-19以前には平均週9回ほどだったが、ロックダウン中は平均週17回と増えており、また解除後も電子決済を利用するという人が40%ほどいる。2020年のモバイルバンキングによる支払件数は、昨年比57.5~61.0%に増加、Eウォレットは同期比18.4~21.7%増えると見られており、New Normal社会へ移行する中で、非接触型の支払いがより身近になっている。オンラインショッピングやフードデリバリーに頼らざるを得ない生活を経て、モバイルバンキングや電子マネーをより多く経験し、その利便性に改めて気が付いた人が多いようだ。
10〜20代では買い物の他にも
日常的に電子マネーを用いる傾向
タイでは、2017年頃にQRコード決済システムが政府主導で導入され、国を挙げた電子決済の浸透への取り組みが続いている。その後インターネットバンキングによる振り込みや支払手数料が他銀行間でも無料になり、モバイルバンキングの利用が増えていた。中年層以上では電子決済の安全性に不安に感じる人が多かった一方、若年層では電子マネーの利用が広がっていた。しかし、中年層以上でもロックダウンをきっかけに電子決済を利用し、簡単さに納得を得て利用が広がっている。
10代から20代では、コンビニでの買い物やミュージックストリーミングサービスの支払いのほか、主に友人間の食事の割り勘の支払いやお金のやり取りに、電子マネーを日常的に用いる傾向にある。電子決済サービスが浸透している先進国と比較すると、その浸透度はいまだ低いものの、利用者の増加が加速していきそうだ。