甘酸っぱい風味が特徴のマヨンチット
期間限定のスペシャルメニューが続々と登場
毎年2月中旬~4月頃までの間に出回る季節限定の高級フルーツ・マヨンチット(プラムマンゴー)。ビワのような風貌でマンゴーと桃の中間にような甘酸っぱい風味が特徴で、毎年この時期を楽しみにしている人も多い。フルーツ天国のタイではあらゆるフルーツが安いが、1年に1度だけしか栽培されないマヨンチットの価格は高め。年々人気が高まり、2022年は7-Eleven Thailandがマヨンチットスムージーを販売しヒットした。2023年はバンコクの中華街・ヤワラー発の中華スイーツ店「Ba Hao Tiang Me」が「マヨンチットチーズパイプリン」を、カジュアルイタリアンの「A FOX PRINCESS KITCHEN」が「マヨンチットチーズパイ」、そして人気レストラン「KAP KAO KUP PLA」が「マヨンチットチーズケーキ」や「マヨンチットソムタム」を発売するなど、人気チェーン店がこぞってマヨンチットを使用したスペシャル限定メニューをリリースし、いずれも好評を博している。
酸味が強くタイ人の味覚に合った
2月から4月頃しか出回らない高級フルーツ
マヨンチットはマンゴーと同様のうるし科の植物だが、もともとはマヨンチットとほぼ同様の見た目をしたマプラーンを改良して、さらに酸味を強めて味のコントラストを高めたフルーツ。マプラーンの方が甘く酸味が少ないが、わざわざ品種改良してまで酸味を強めるというのは、多くのタイ料理がそうであるように「甘・辛・酸」といったはっきりした味を好むタイ人の味覚に合わせたもの。マヨンチット自体はラマ5世の時代より登場していたものの一般的に広く商用として栽培されるようになってからまだそれほど時間が経っていないことや、晴天と雨量のバランスなど気候に作用される部分が多く栽培が難しいこと、2月~4月中旬頃までしか出回らないことなどの理由から、高級フルーツとして珍重されている。年々、限定メニューを発表するカフェやレストランが増え、人気合戦を繰り広げている。