急速な都市化による変わるインドのライフスタイル
時短が出来る冷凍・レトルト食品が注目を集める
インドでは急速な都市化と多忙なライフスタイルにより、便利で時間を節約できる食品の需要が高まり、レトルト食品や冷凍食品が人気になっている。 インドの冷凍食品部門は着実なペースで成長しており、 各ブランドは単なるパーティースナックから、あらゆる年齢層の人々の日常の食品へと進化してきた。 代表的なブランドとして、MccainのChilli Garlic Potato Bites(INR150)やITC Master Chefの Chicken Seekh Kebab(INR350)、PrasumaのMomos Original Chicken(INR195)など、フレンチフライ、冷凍モモ、サモサ、春巻き、さらにはパラタなど、消費者のニーズと市場を捉えている。製品の品質、包装、技術の進歩により、冷凍食品の栄養価、味、食感が向上し、消費者の信頼を確立している。 食品の安全性に対する意識の高まりと冷凍食品の厳格な品質検査により、消費者の嗜好は冷凍食品に移ってきている。インドの冷凍食品市場は、2021年に1,240億6,000万ルピーに達し、2027年までに3,066億1,000万ルピーに達すると予測されており、16.2%のCAGRで成長している。
多国籍料理への関心と食文化のモダナイズが進む
定着の背景には配送・保存技術の発達も
需要と人気の秘密は、スーパーマーケットやオンラインで豊富な種類の商品が一年中簡単に手に入るようになったためだ。さらに、気候変動に影響され難い、持続可能なコールドチェーン包装が業界で形成されつつあるのももう1つの理由である。それにより、高品質で新鮮な食品が手に入るようになった。以前はレトルト食品や冷凍食品などは外道と考えていたインド人が多かったが、多国籍料理への関心と食文化のモダン化により見直されている。今では、果物、野菜、精肉生魚、スナック、ベーカリーなど、幅広い多国籍の調理法と味付けが施され、消費者層を拡大している。ただ、冷凍食品において、実際は宅配や持って帰ってくるまでの冷凍技術がまだ浸透していないので、冷凍庫に再度入れる時は溶けてしまっている状況であるが、インド人は特に気にしていない様子である。