ファッション

政府による中古品の輸入販売禁止がある中、若者を中心に広がるインドネシアのスリフティングブーム!

インドネシア
facebookでシェア
Twitterでツイート
Loading

ファッション目的で古着を購入する人が多く
大手ECサイトやSNSなどで購入可能

ここ数年、「スリフティング(thrifting)」がファッション業界を中心にトレンドとなっている。スリフティングはインドネシアでも2022年頃から若者を中心にブームになっており、国内生産品よりも安価で品質の良い古着を買う目的の人が多かったが、最近は希少価値のあるビンテージ品やインドネシアでは買えないブランド品、高価で手が出にくいブランド品などを安く手に入れたいというファッション的な意味合いで古着を購入する人が多い。インドネシアでは古着の輸入は2015年に禁止されたが、実態としては「Shopee」や「Tokopedia」などのECプラットフォームや、 FacebookやTikTokなどのSNSのソーシャルコマースプラットフォームなどで購入することができ、現状(2023年6月時点)ではTokopediaで「Thrifting」で検索すると752の出店と5,644の商品がヒットするなど規制が追い付いていない状態となっている。大手各社は政府の方針に従い、通報があった際にアカウントの停止などで協力する姿勢を見せており、今後の動向が注目される。

国内産業の保護を目的とした古着の輸入禁止
2022年の中古衣料品の輸入量は増加傾向に

インドネシアの中央統計庁(BPS)によると、2022年の中古衣料品の輸入量は2015年と比べて623%増加し、主な輸入元は日本、オーストラリア、インド、台湾となっている。インドネシア政府が古着の輸入を禁止している理由としては、1つ目に衛生面で古着からカビ菌の繁殖や健康への害があること。2つ目に、国内企業の保護が挙げられ、国内の繊維産業や零細企業への影響を与える可能性があるとされている。しかし、政府が懸念している国内で生産している中小企業の保護と現在のスリフティングのブームには、販売価格が安くはないという点でズレがあることも指摘されている。政府はスリフティングのブームと古着輸入禁止を機に、国内企業に対して、”環境に配慮した素材を用い、持続可能な製造方法でユニークなデザインで長く使える製品を生み出すよう”に推奨している。インディゴなどの天然染料の使用や地元の労働者の活用も重要で、国産の衣料品を購入・使用することは国内産業を保護することにつながることを説明している。