2023年6月のオープン以降、
フィリピン国内に120店舗が登場
フィリピン生まれのコーヒーチェーン店「PICKUP COFFEE」は、2023年6月に1店舗目がオープンしてから120店舗がフィリピン各地にオープン。イートインはなく全てが持ち帰りとなっている。ショッピングモール内にも店舗はあるが、路面店やフードトラックタイプの店舗が多い。また、店舗によっては24時間営業もあり、若者の就職先として人気の海外企業を含むコールセンターで働く人に多く利用されている。コールセンターが入っているビルにはフィリピン人に馴染みの深いファストフードレストランが入っていることが多く、休憩時間の楽しみとして新たな選択肢が加わった。人気の理由としては安いことが考えられ、定番のアメリカーノコーヒーは50ペソ(約円130)から、カプチーノは70ペソ(約185円)、高くても100ペソ(約260円)以上のメニューはなく、スターバックスの半額以下となっている。手軽に買え、種類も豊富で、フィリピンの食材・紫芋を使ったウベラッテ・70ペソ(約185円)やココナッツを使ったココラッテ・75ペソ(約190円)など、フィリピン人にも馴染み深いものもあり親しまれている。独自の注文アプリでオーダーができ、人気の女優アンカーティスやインフルエンサーを使って、SNSで発信したことも注目を集めた要因だ。
StarBucksに比べ、低価格で
気軽にお洒落なコーヒーが楽しめる
フィリピン人は平日のオフィスでも一人でご飯を食べることは珍しく、必ず職場の仲間と食事をしている。職場にはパントリーと呼ばれる給湯室があり、そこでお弁当を食べたり、コーヒーを飲みながら休憩を取る。昔から3in 1と呼ばれるインスタントコーヒーにパウダーのミルクと砂糖が入った甘いものを自分のカップに入れてお湯を入れて飲むのが一般的だったが、スターバックスなどの欧米チェーンの台頭により、若者間では甘くないコーヒーを喫飲するようになった。スターバックス人気は継続しているものの、価格が従来のものより高いこともあり、若者にとっては毎日飲むものではない。そうした中で、「PICKUP COFFEE」など、気軽に買える値段設定をしたコーヒーショップが若者を中心にトレンドになっている。また、 「PICKUP COFFEE」は職場の近くやショッピングモールにあり、気軽に購入でき、手軽にお洒落なコーヒーを楽しめる場として利用されている。若者にはぴったりな新しいコーヒー文化が生まれている。