ピンクやグリーンなどの鮮やかな色合いの
コーヒードリンクがZ世代の心を掴む
「hitamanés」や「コスタコーヒー」のアイスラテパンダン(パンダンはマレーシアのスイーツ料理で使われるハーブの葉。鮮やかな緑色が抽出できる)やバンドン(ローズシロップに練乳またはエバミルクを混ぜたものでパステルピンクになる)などを使ったグリーンやピンク色のコーヒー(コスタ RM19.90、約630円)、スイカやグアバ、ジャックフルーツ、パイナップル、スターフルーツ、ココナッツ、シーココナッツなど、マレーシアらしい南国フルーツシロップを使ったフルーティーコーヒー&フラペチーノ(hitamanés RM12、約380円)の人気が高まっている。こうした新しいコーヒードリンクの特徴はシロップを底の部分に用いている点。パンドンやシロップはフレーバーのみならず、ピンクやグリーン、イエローなどの鮮やかな色合いを生み出すとともに、コーヒーのブラウンとミルクのホワイトでグラデーションを作っている。そんな色合いと見た目がキュートであると、男女共にZ世代の心を掴んでいる。
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多様性を反映したマレーシアのカフェ文化
低価格帯もZ世代に人気の一因
マレーシアの伝統的なカフェ文化にはこれまでも独自のミクスチャーメニューが生まれているが、異なるテイストを混ぜて楽しむ新しいコーヒードリンクは、多民族で多様性を持つマレーシアの文化を反映している。2023年から2024年にかけてはガーリーピンクが可愛いと人気になり、特にコーヒーとミルク、ピンク(スイカシロップ)のグラデーションがキュートな「ZUSコーヒー」のウォーターメロンラテが大流行した。また、ZUSでは「コーヒーは高級なドリンクであるベきではない。多くの人に届くコーヒーを」ということをモットーにしており、ウォーターメロンラテの値段はRM11.90(約378円)とスターバックスなどの外資系カフェで販売されている商品(スターバックスのラテRM15.90、約500円)に比べて比較的安価となっている。こうした価格帯もZ世代に人気の特徴となっている。さらにマレーシアでは2023年中頃からイスラエル・パレスチナ問題においてスターバックスなどのイスラエル系ショップがボイコットされることも少なくない。そうした背景もあって、国産カフェが注目を浴びているようだ。