返品マーケットの市場規模は増加傾向
ブランド品から日用品まで数多くのアイテムを販売
返品マーケット(refurbish)は、製品に問題はないが返品されたものや展示商品、または製造や流通過程でわずかに傷が付いたものなどを市場価格の30~70%で販売している倉庫型店舗だ。最近の物価高騰もあって、この市場が成長している。2018年にはほとんどなかったビジネスだが、2023年には専門業者数が300に達した。韓国の投資銀行「KB証券」によると、市場取引の規模は2021年で24兆ウォン、2023年には30兆ウォンを超えるとされている。
プレミアムアウトレットを運営する「新世界サイモン」が出資をしている「リシンク(Re:think)」は、全世界で買い付けた在庫を扱っており、2023年の第1四半期の売り上げは132億ウォンで、前年比で2倍の増加だった。取り扱い商品は有名ブランド化粧品から、子ども用品、衣類、寝具、電化製品、日用品、家具、食品など生活に必要なものからキャンプ用品、業務用鍋まで多岐にわたる。休日には一般消費者が宝探し感覚で店を訪れる。また、国内最大の通販サイト「クーパン」もモバイルアプリで返品マーケットサービスを開始。Z世代が容易にアクセスできるようになり、購入客数が35%増加したという。このように、返品マーケットは現在、店舗・アプリともに消費者から注目を集めている。
お得な買い物先として口コミを通して利用者が増加
サスティナブルな消費社会を実現できる点も人気
卸業者や宅配業者が余った季節物、返品商品でメーカーが受け取らなかったもの、倒産した会社の商品を集めて販売することからスタートしたマーケット形態。子ども用品は成長によって使う期間が限られているが、高価なものも多く、お得な買い物先として母親たちの間で口コミで広まったといった経緯もある。国内最大の通販サイト「クーパン」がアプリを開始したのを皮切りに、他の通販サイトも同様のサービスを進めている。会員登録することで、より個人に合わせたサービスが提供されるようになる。また、環境を考える消費者が増えたことも、市場の拡大を後押ししている。使用に差し支えない商品でありながら、持続可能な消費活動を目指す最近のトレンドに合致したことが、人気の一因となっている。