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「個室」カラオケがインドの都市部で大ヒット!ハングアウトの場としてZ世代のニーズを掴む

インド
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食事やドリンクを楽しむことができる
個室カラオケの人気が2024年から加速

インドでは2000年頃から「Karaoke」文化が登場した。しかし、「Karaoke」は一部のバーやクラブにて週末に人前で熱唱できるカラオケ大会のようなイベント「Karaoke Night」や、日系レストランやナイトクラブで利用される程度の認知度だった。そのため、利用者も限られており、一般的にはほとんど知られていなかった。
2023年下半期からデリーでは、若者が多く集まるチベットマーケット「マジヌ カ ティラ」にある「Ama Café」や「Norwang Cafe & Restaurant」などのカフェがカラオケを取り入れており、2024年に入り人気が加速、インスタグラムでも多くのリールがアップされている。人気の秘密は個室ルームになっているところだ。人前で披露するステージではなく、親しい友人だけで気兼ねなく楽しめ、利用料が1時間1部屋600ルピー(約1,100円)で歌い放題というのも魅力的だ。
同マーケット内にある「Groovy Kitchen」のカラオケルームは広々としており、日本の様にソファーとテーブル、TVとマイクが設置されている。好みのカラオケソングを選択して歌うことができるほか、チベット料理や韓国料理と共に豊富なドリンクが提供されており、飲食も楽しめる。

安全に楽しめるハングアウトの場として
オシャレな空間がZ世代の間で好評

世界的に定着したカラオケは決して新しいものではないが、インドのZ世代は斬新でユニークなものと認識している。元々インドでは友人とハングアウトできる場所が少なく、モールやローカルマーケット、レストランや公園、家で会うくらいしかない。そして、インドには個室文化が一般的ではなく、高級なものと認識されている。そんな状況の中でハングアウトができる場所となることや、歌ったり踊ったりすることが大好きで音楽が流れるとすぐに歌い踊り出すインド人の気質、歌手を夢見るオーディションTV番組人気などからカラオケルームが注目のトレンドになるのも必須と言える。ブームが続くK-ドラマ内でカラオケが登場したのも大きな要因となっており、カラオケ文化は韓国から来たと思っている人も多い。
インドは治安や男尊女卑の問題を抱えているが、都市部ではここ数年で「女の子だけで出かける」ことが安全で当たり前になってきている。新たなトレンドはそんな社会の変化と女性の活動範囲の拡大によって生まれており、カラオケルームの流行もハングアウトできるおしゃれな場所や安全な個室というニーズに即した特徴から生まれた。