スイーツ店のマスコットやアートトイなど
”かわいい”アイテムが若者の心を掴む
2024年のタイでは“カワイイ”キャラクターがトレンドになっている。その代表例がシュガーバターパンやドーナツ、クッキーなどを販売しているスイーツ店「Butterbear」のマスコットキャラクター。可愛いクマの着ぐるみキャラクターで、バンコクの複数のショッピングモールにある店頭で客の呼び込みを行ったり、Instagramアカウントで商品紹介をしたりしている。2024年1月にはショッピングモール「Emquartier」でのイベントでダンスを披露し、その様子がInstagramやTikTokで拡散。視聴回数が急増し、TikTokのいいね数が2024年9月現在では48万に達している。この人気を受けて、「Butterbear」のお菓子とグッズの売れ行きも好調となっている。毎週末にはショッピングモール「Emsphere」内の店頭で『Butterbear’s Meet and Greet』イベントが開催され、中国人観光客を含む多くの人々が集まり、2024年8月からは事前予約制が導入された。Z世代の女性たちからは「ダンスが上手すぎる!カワイイ!」という声が多く寄せられている。また、タイではアートトイの人気も根強く続いている。2024年4月にはアートトイ店「POP MART」のキャラクター、『The Monsters』シリーズの「Labubu」が人気となり、特にキーホルダーの「Labubu(590バーツ)」は店頭で売り切れ状態。オンラインでは転売価格が10倍以上になる時期もあった。こうしたカワイイキャラクターが、タイの若者たちの心を惹きつけている。
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SNSやインフルエンサーの影響など
若者に響くコミュニケーション作りが話題
「Butterbear」は2024年6月末にオリジナルソングのミュージックビデオをYouTubeで公開し、わずか2週間で視聴回数が200万回に達し、9月現在では1,000万回を記録している。自称3歳の女の子というキャラクター設定で、店頭やInstagramの動画でその雰囲気を発信。K-POPやT-POPのダンスを完璧に踊り、人気ブランドやタレントとのコラボレーションも行い、Z世代のトレンドをしっかり押さえている。
タイでは10代の若者から30〜40代まで、バッグにアートトイのキーホルダーを下げるスタイルが流行している。「Labubu」は、K-POPアイドルグループBLACKPINKのタイ人メンバー、LisaがInstagramのストーリーにLabubuの写真を投稿したことがきっかけで大人気に。また、タイのトレンドセッターである女優Chompooがバッグに下げているモンチッチも人気を集めている。もともとカワイイものが大好きなタイ人だが、若者に響くSNS投稿やインフルエンサーの影響、リアルなコミュニケーションがこうしたブームを牽引しているようだ。