デジカメで撮影した写真をSNSに投稿
懐かしい味わいを新鮮に感じるZ世代
コンパクトデジタルカメラがタイの若者の間で流行している。スマホ世代の若者たちが、デジカメで撮った写真をInstagramに投稿するようになっている。数年前まではフィルムカメラが人気だったが、フィルムが高価で入手しにくいことから、2023年頃よりデジカメの人気が高まってきた。男女問わず、旅行や記念日だけでなく日常の風景や普段の様子を、スマホの代わりにデジカメで撮影している。「デジカメで撮る写真はスマホとは違って独特の雰囲気があり、懐かしい味わいが新鮮に感じる。友達やフォローしているSNSアカウントの80%はデジカメの写真」とZ世代の女性は話す。一眼レフなど本格的なデジカメは家電製品店で数万バーツで販売されているが、Z世代にとって普段使いできるコンパクトデジタルカメラは、中古品店で4,000バーツ前後(約1万6,900え円)、安いものでは2,000バーツ(約8,450円)と比較的手ごろな価格で購入することができる。さらにファッションでは、「ラルフ・ローレン」のクラシックなカーディガンやポロシャツ、1990年代のストリートファッションブランド「Stussy」も人気を集めている。
ノスタルジックな雰囲気や
昔懐かしいイメージを求める傾向に
デジカメ流行の背景には、2023年3月に海外のインフルエンサーLauren Wolfeが「デジカメで撮影した写真の方がスマホの写真よりも良い」とTikTokに投稿したことがきっかけで、これがバイラルし世界中の若者の間でトレンドとなったとタイでは報じられている。また、K-POPアイドルグループNew Jeansの「Ditto」のMVでハンディカメラが使用されたことも、昔懐かしいカメラの人気に火をつけたという声がある。スマホで撮影した写真は実際よりもキレイに見えるよう加工されることが多いが、デジカメは現実をよりリアルに反映できる点が若者たちに注目されている。タイのZ世代は、SNSを通じてインフルエンサーの影響を受け、ファッションやアイテムを追いかけ、それがさらにSNSで拡散されていくというサイクルが見られる。今のトレンドはノスタルジックな雰囲気や昔懐かしいイメージを求める傾向にあり、デジカメ人気もその一環といえる。