新たなブームとなったレモンティー
紅茶の味を引き立てるレモンの爽快感が好評
香港では、2018年一大ブームを引き起こした、甘いミルクティーの中に大きいタピオカ(珍珠)が入っている台湾発祥のタピオカミルクティー(珍珠奶茶)がドリンクスタンドの定番として人気となり、ドリンクスタンドが乱立。その後、お茶などの上にチーズクリームをのせた「チーズティー」が、さっぱりとしたお茶と濃厚なチーズクリームが好評で、タピオカミルクティーに次ぐトレンドのドリンクとなった。コロナ禍の影響でドリンクスタンド人気は一時下火となったが、近年では新たなブームとして”レモンティー”の人気が高まってきている。広州産の緑色のレモン(香水檸檬)を使っているのが特徴。黄色い酸味の強いレモンと比べると酸味は弱いが、柑橘系の香りと味が紅茶の味を引き立てている。カットされたレモンとレモンの果汁が入っているため、爽快感が好評となっている。
国外の食文化から大きな影響を受ける香港
ローカル独自の定番飲料も多数存在
「飲茶」の普及は香港が飲茶文化の中心地としての役割を果たしたことが主要因とされている。19世紀後半、当地には多くの中国人移民が集まる場所となり、そこで広東料理と飲茶文化が広まる基礎が構築されることになった。特に20世紀初頭に香港で飲茶が大流行した際は、多くの飲茶レストランが開店したこともあって、「飲茶」の知名度が急速に広がるだけでなく、当時から元々貿易港として機能していた香港には外国からも沢山の貿易商が集まる場所だったため、訪れた外国人や香港出身の移民によって「飲茶」が世界中に広がるきっかけになった。 イギリス領だった頃に紅茶文化が入り、ほとんどのホテルではアフタヌーンティーのサービスを提供していた。海外の影響を受け、独自に進化したドリンク文化を持つ香港では、ローカルの飲食店でホットコーラ(熱檸檬檬樂)や珈琲と紅茶を混ぜ合わせた”鴛鴦茶(えんおうちゃ)”といった飲み物が定番ドリンクとして提供されている。また、氷や砂糖の量などは利用者の希望によって調整するというサービスが当たり前のようになっている。