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Z世代を中心に再燃するドーパミンファッション/気分を高める「情緒価値消費」が拡大 | TNCアジアトレンドラボ

ファッション

Z世代を中心に再燃するドーパミンファッション/気分を高める「情緒価値消費」が拡大

中国
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鮮やかな色で気分を高める「ドーパミン消費」
ファッションや雑貨、インテリアにも広がる

2026年、中国のZ世代を中心に「多巴胺穿搭(ドーパミンファッション)」が再び注目を集めている。ドーパミンファッションとは、高彩度カラーやポップな色使いを取り入れ、「見ていて気分が上がる」「身につけることで楽しくなる」といったドーパミンが分泌されるような感覚を重視したファッションスタイルである。2023年には映画『Barbie』の世界的ヒットをきっかけに、ピンクや鮮やかなカラーを取り入れたファッションが大きな流行となった。

2026年のトレンドははその流れを受け継ぎながらも、より洗練されたスタイルへと変化している。2023年当時はビビッドカラーを大胆に組み合わせたインパクト重視の着こなしが主流だったが、現在は色彩の統一感やグラデーションに加え、サテンやレースなど高級感のある素材も取り入れられ、美しい配色バランスを重視した表現が人気を集めている。

Z世代を中心に人気の韓国系アパレルブランド CHUU(中国で300店舗以上展開)のショップ店員によると、2026年夏に向けては淡いブルーやピンクなどのパステルカラーにグレーを合わせたコーディネートや、フリル付きジーンズが人気を集めているという。また、現在は単なる“派手な色ブーム”ではなく、「情绪价值(感情価値)」を重視した消費スタイルとして広がっている点も特徴だ。「自分自身の気分を整える」「感情を前向きにする」といった心理的価値が重視され、ファッションや身につけるものを選ぶ消費へと変化している。こうした傾向はアパレルにとどまらず、スマートフォンやガジェット、キャラクター雑貨、インテリア、ネイルなど幅広い分野へ広がっている。例えば、HUAWEIの販売店スタッフによると、2026年4月発売の「Pura 90」シリーズでは、オレンジとブルーのグラデーションカラーが圧倒的な人気を集めているという。

日常的なストレスに対処する
セルフメンタルケアとしての側面も

ドーパミンファッションがわずか3年でリバイバルしたのは、中国における若年層の「情緒消費」の拡大と社会環境の変化がある。中国流行色協会連合が発表した「2026春夏ファッション潮流」では、「多巴胺色彩(ドーパミンカラー)」が“四大スタイル”(ドーパミン・新中式・アウトドアテック・ミニマル通勤)の一つとして位置づけられ、「情緒を活性化させるスタイル」として再定義されている。

中国では、内巻化した競争環境や経済的不確実性の高まりにより、若者が強いストレスや将来不安を抱えている現実がある。その中で消費行動は「他人に見せる成功消費」から、「自分自身の気分を整える消費」へと変化し、心理的な満足感を重視する傾向が強まっている。かつては高級ブランドやラグジュアリー消費を通じて成功を表現する傾向が強かったが、近年は「自分が心地よいか」「気分が上がるか」といった感覚を重視する消費へとシフトしている。

特に「治愈消费(癒し消費)」や「即时情绪满足(即時的な感情満足)」といった、低コストで気分を回復させる消費が一般化している。気分を整えたり前向きな感情を引き出したりする色彩デザインは、日常的なストレス対処やセルフメンタルケアの一種として受け入れられている。さらに、小红书(RED)などのSNSでは、「時尚达人(ファッションセンスが高く影響力を持つ人)」や「穿搭博主(コーディネート系ブロガー)」が発信する世界観への共感型消費も拡大しており、ドーパミンファッションは情緒消費とSNS時代の価値観を象徴するトレンドとなっている。