上海ではじまった家庭ごみの分別が
複雑で難しいとの声
2019年7月より、全国に先駆けて上海市が家庭ごみの分別を法律化した。違反すると200元(約3,150円)の罰金が課せられる。しかし、「生ごみと使用済みティッシュは別」、「瓶はリサイクルごみだが医薬品の瓶は危険物扱い」など分け方が複雑でわかりにくいという声が多い。そんな中、全世代の上海人が一般的に使用している決済アプリ「支付宝(Alipay)」に、ARでごみを識別できる機能が登場。分別方法がわからないごみをスキャンすると、どのごみに属するかを表示してくれる。もう一つの機能「易代扔」はリサイクルごみ、粗大ごみを回収しに来てくれるミニプログラム。出した量によって「支付宝」内の「アントフォレスト」内にエコポイントがたまる。
日常使いのアプリに機能を追加することで
ごみやリサイクルへの意識改善をはかる
ごみを分別して出すという概念がない状態から、準備期間一ヶ月だけで法律が施行された。そのため、戸惑う人が多く、ごみ分別に慣れている在住日本人の間でも、分け方が複雑すぎるという声がある。たとえば、生ごみの捨て場には、生ごみ以外のものはビニール袋なども入れられない。そのため、生ごみは水切りネットなどに入れず、ザルなどにためて投函する(残った料理などは鍋から直で収集所に入れる)。一部の記事等で、違反者を取り締まる監視が厳しいとあるが、生活者の実感としては、厳しさを感じることはないという。収集所に常に見張りがいるわけではなく、違反しても必ず罰金ということでもない。間違えた分別ごみ箱に投函しても地域の清掃係が直してくれるそうだ。日常で使っているアプリ内にゴミに関する機能を追加することで、分別やリサイクル品の回収を意識する人が増える効果も狙ったのではとみられる。