フードブロガーなどの影響から
ユニークな食文化を体験できるツアーが人気
インドではインスタグラムのフードブロガーたちが、カオスな街オールド・デリーやイスラム教徒が住む地域のストリートフードをリールで取り上げており、若者の間で注目が集まっている。これらのストリートフードは今まで注目されていなかった地域のフードであることが特徴。肉料理やスイーツなど、その地域にしか無いメニューばかりで、そこには独自のユニークな食文化が存在している。
最近、フードブロガーが注目するデリー南東部にある「シャヒーンバーグ」はイスラム教徒の他、アフガニスタンやトルコからの移住者も住む地域であることから様々な肉料理が存在している。今までに無かったタイプのメニューが本格的で、その上安価で提供されているため、肉料理に興味のあるインド人にとって魅力的だ。
オールド・デリーの路地裏には老舗の食堂やスナック屋、菓子屋が点在し、そうしたコアな場所へ案内する「フードウォーク」も開催されている。オールド・デリーを中心に世界遺産や遺跡の詳細まで案内するローカルツアーで、週末に約2〜3時間のコースで実施されている。歴史家や作家がウォークリーダーを務める『Purani Dilli Walo Ki Baatein』や若者に人気のマニアックなデリーを回る『Unzip Delhi』など、様々な「デリーウォーク」(実施内容によるが INR500~INR1500 )を企画する若者団体も数多くあり、密かな人気になっている。
ダイバーシティーに寛容である
若い世代から生まれた食トレンド
近年、若者の間で流行している北東出身者が多く住む町「フマユンプル」では、宗教上タブーとされる水牛肉や豚肉も利用するチベット料理や北東料理が提供され、食する若者も多くなった。「フマユンプル」は、デリーのローカルな町に北東出身者が移住し始め、オシャレなファッション店舗やカフェをオープンしたことで新たなトレンドスポットとなっているが、それに対しオールド・デリーは昔から同じ家族が住み続けている地域で、特に新たな試みがあるような場所ではない。薄暗い小さな路地で構成されているこのオールドデリーは、カオスな街として世界的にも有名だが、実はデリー人にとっても訪問し難い場所である。特別な観光地もなく、ただの住宅地である「シャヒーンバーグ」なども、周辺に住まないデリー人にとっては”未知”のエリアといった存在。そういった知られざる場所の「美味しいものを知っている」「行き方がわかる」ということが、若者の間で「かっこいい」と認識されているようだ。これらの地域では女性が肌を出すことを嫌がるイスラム教徒も多く、昔ながらの町であるため、肌を隠す軽い民族衣装とトラディショナルなアクセサリーを身につけて訪問するのもトレンドらしい。保守的な古い食文化や思考に凝り固まらない若い世代の興味や関心から生まれたトレンドだ。
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