若い世代を中心に広がる中古カメラブーム
中古カメラ専門店の来客者も増加傾向
インドでは数年前から若い世代の間で、デジタルカメラブームが起きている。当初はデジタル一眼レフカメラが人気で、贅沢な趣味として20代後半〜30代の男性を中心に広がり、オールドデリーや公園などで撮影するグループもよく見かけられた。現在ではインド人写真家が行う撮影会や勉強会などが定期的に行われるなど、一眼レフカメラは引き続き人気がある。ここ最近では、20代女性や学生が注目しているのが中古のデジタルカメラやチェキである。また、学生たちの間でも「友達と一緒に撮影し合うために欲しい」と、カメラは若い世代を中心に幅広く人気になっている。インドでは元来、故障品や廃棄品を直して再利用する文化があり、オールドデリーの路地にも中古カメラ専門店が建ち並ぶなど中古品も購入しやすい。デジタルカメラのブームも、オールドデリーにあるカメラマーケットの中古品から始まったもので、カメラマーケットへの来客もここ数年で増えている。デリー郊外の新興都市・グルガオンに2009年、カメラの博物館「Museo Camera Centre for the Photographic Arts」がオープンしたことも写真ブームの一つのきっかけとなっている。インドで唯一の写真芸術専門施設で、今では少なくなったネガフィルムの現像も行っている。展示内容はもちろんのこと、洗練された外観や内装、施設内のカフェはおしゃれで料理も美味しいとカメラ好きや若者で常に賑わっており、今後もカメラブームが続くと予想される。
デジカメのノスタルジックな雰囲気や
自動日付入り機能がインドの若者に人気
一眼レフカメラや写真のトレンドが生まれた背景には、以前に比べカメラを購入できる経済力と、近年の生活習慣や嗜好の大きな変化により行楽を楽しんだり、女性だけで外出したりすることが一般的になったことが挙げられる。また、気持ちに余裕が生まれ、芸術に興味を持つ人が増えた。男女ともにカメラに興味を持ち、本気で写真家になりたいと考える若者も増えている。インド人は携帯電話やスマートフォンカメラでの自撮りや撮影を好み、特に若い女性が撮影する姿はどこでも見かけられるが、デジタルカメラは手軽に撮影でき、撮影した写真がノスタルジックな雰囲気になるところが良いと好まれるようになった。中古のデジタルカメラを販売するオンラインショップも増え、特に日付が自動で付く機能に人気が集まっている。
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