日本食のおいしさを広めるため
スタートアップ企業が続々と登場
マレーシアでは日本に留学や就労で長期滞在をするマレーシア人が増加していることに伴い、マレーシアに帰国後、まだマレーシアにない日本のおいしさを広めたいと飲食店や食品ブランドなどを起業する例が増えてきている。大阪の南堀江で誕生した缶詰バー「Mr.Kanso」。これはフランチャイズだが、「缶詰をつまみとして食べながら飲む」というコンセプトは難しいと判断し、より食事を主体とする独自のレストラン形式に工夫を凝らした。缶詰を選び、スタッフが食材を追加して調理したり、ライスやパンも一緒に食事することが出来るようになっている。100種類ほどの缶詰が並び、一個RM10~100(約315~3,150円)ほどの価格帯となっている。
一方、日本人男性とマレーシア人女性のカップルが、日本のユニークな伝統食品「甘酒」をマレーシアに広めるため、マレーシアで独自の麹を作った。クアラルンプールの「Mikaa Cafe」とコラボレーションをして、オリジナルの甘酒ドリンクを販売。カクテルのような甘酒と他フレーバーや、持ち帰り用の200gのパックも。パックは、オリジナル、抹茶、ほうじ茶、コーヒー、フレンチプレミアムチョコレートのフレーバーがあり、一つRM30-45(約945~1,420円)。今後は甘酒をもっと知ってもらうためにイベントや色々な場所でコラボレーションをしたり、他の日本にはないような甘酒商品を創作していきたいとしている。
この投稿をInstagramで見る
イスラム教徒への配慮など現地ローカルの
食意識に対する工夫が重要視される
「Mr.Kanso」のグレース氏曰く、「マレーシアの普通に販売されている缶詰というものとは違うもの。また、マレーシアにないような神戸ビーフ、猪肉や鹿肉、パン、卵焼きなどはとてもユニーク。缶詰は防腐剤が多く入っているから健康に悪いという認識がマレーシアでは強いが、新しいテクノロジーではその製造プロセスは変わったという点ももっと教育していきたい」と語っており、将来マレーシアにも新しいテクノロジーを使った缶詰工場を作りたいと意欲的だ。
また、「甘酒」の場合、現地でも似たような芋やココナッツを発酵させたタパイというものがあるため、米麹は受けやすい。一時日本酒ブームの時期があったが、イスラム教徒のマレー系はアルコール禁止のため、甘酒はノンアルコールとして国民全員に受けられやすいことが考えられる。
この投稿をInstagramで見る