職業訓練や就労支援に繋がる
サステナブルな製品が増加するミャンマー
近年、現地企業や欧米系のNGOによる、環境に配慮した製品の製造や職業訓練や女性の就労支援に繋がる取り組みが増加している。2022年1月にスタートした「She Creates」という団体では、定期的にイベント・ワークショップを実施している。2023年6月に行われたイベントでは、環境に配慮したサステナブルなハンドメイドの洋服やバッグ、アクセサリーの販売や、ボタニカルペイントのワークショップが行われた。イベントに参加していた各店舗では、デザイナーや生産者と直接コミュニケーションができ、製品のコンセプトや環境への意識を身近に感じることができる。「She Creates」では、製造や販売だけでなく、製造に必要なスキルをミャンマー人女性に教える活動も行っている。そのほか、「Eden Jewellery Yangon」では、人身売買の被害者に対してジュエリー加工の訓練を施し、その製品をヤンゴンで販売している。ジュエリーには”自由”や”勇気”といったコンセプトメッセージが込められている。
環境問題や雇用問題など国内の課題を
解決する取り組みとして注目される
新型コロナウイルスや政変の影響により、観光客が減少した結果、お土産品よりも現地ミャンマー人の生活を豊かにする取り組みが増えている。大量に廃棄されるココナッツの殻を用いたボタンや、落ち葉や草木を用いたボタニカルペイント(エコプリント)など、現地の「素材」を用いて日常生活に取り入れることが可能なアイテムが手作りされている。生産者からは、現地の素材を活用することで、民族としての誇りや伝統を保てるといった声が寄せられている。若い頃に海外で働いていた40~50代のミャンマー人は、環境や雇用問題などミャンマーの課題解決に対する意識が高い。海外で得た知見やアイデアを活用し、現地の素材や伝統的な方法を取り入れながら、雇用創出と生活向上を目指した活動が進んでいる。