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台湾の若者が持つ農業への関心から生まれる新ブランド/高雄市ではトレンド発信地となるファーマーズマーケットが注目

台湾
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台湾の農作物を使用したジェラートや
スイーツなど若者による新ブランドが登場

高齢化が進む台湾では、若者が農村に戻って働いたり、農業に関心のある若者が新しいブランドを作り出し、Z世代に人気となっている。その一つが台湾の果物を使ったジェラートを販売する「小露吃」である。フードマイレージ50キロにこだわった地元の旬の果物を使ったアイス屋を2014年に友人と開いたのが始まりで、台湾自然農法の台湾緑茶アイスやマンゴーアイスなど、生産者のもとに赴き、食材を仕入れ、人とのつながりと食材を重視している。現在は若者が集まる「市集(クリエイティブマーケット)」などで販売。高雄市内のカフェでも味わえる。カップ入り一つ台湾元85元(日本円383円)。カフェではアイスののったドリンクが台湾元160元(720円)程度。

また、「Squirre l&Fish- 松鼠與魚」は、漁村出身の劉上銘氏のスイーツ工房。無添加にこだわり、自家栽培の野菜や産地まで赴いて得た新鮮な食材を使ったスイーツやパンを製作。スイーツやパンは一つ台湾元80~100元(360円~450円)。農村コミュニティーと協力し、有機栽培の農産物を推進している。市集への出店とネット販売が主で、講師としてジャム作りやケーキ作りなどのワークショップも行っている。

若者の農業参入を支援する高雄市
トレンド発信地となるファーマーズマーケット

高雄市政府農業局は、農業に携わる若者を取り上げた雑誌の発行や養成コース「型農培訓班」の設置など、若者の農業参入を積極的に支援しているほか、高雄市で週末に開催される「神農市集」という農作物の販売市、民間の「文創市集(カルチャークリエイティブマーケット)」というマーケットが不定期に開催され、農業から新しいブランドが生み出されている。「神農市集」は、高雄市政府農業局が運営しているファーマーズマーケットで、農作物を直接販売する100以上の農家生産者が出店。若者のブースもあり、中南部最大の農産物直売市場となっている。「文創市集」は、伝統的な市場や夜市とは異なり、若い世代やクリエイターから注目を集め、若者トレンドが生まれる場所として盛り上がっている市場である。「文創市集」では絵画などのアートだけでなく、ハンドメイドのアクセサリー、石鹸、かばんなどのほか、地元の農作物を使ったスイーツや屋台グルメなど様々なものが販売されている。店を構えるまでに至る屋台もあり、若者のトレンドの発信、若手クリエーターの登竜門ともなっている。