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フィリピンの伝統的なおやつ「バナナトロン」/大手小売りチェーン店が発売以来、定番商品に!

フィリピン
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加熱用バナナを春巻きの皮で揚げた
キャラメルの甘みを楽しめる定番おやつ

フィリピンの定番おやつ「バナナトロン」は、加熱用バナナを春巻きの皮で揚げ、キャラメルがけをした素朴なお菓子。レストランではアイスクリームなどを添えてデザートメニューになることもあるが、フィリピン人にとっては学校の近くの屋台で売られたり、自宅で作られることもあるなど、子供の時から目にする、身近で庶民的なおやつだ。フィリピンではバナナの種類が多く、スーパーや市場に行くと一般的に5種類ほどのバナナがあり、バナナトロンに使われるのは『サバ』という名前の加熱用バナナ。熟さない硬いままを茹でるとポテトのような食感になり、スープなどにも使われている。一方、バナナトロンでは熟したバナナが使われるため、加熱することでクリーミーになり、春巻きのパリパリとした食感を楽しむことができる。

大手小売りチェーンによって発売されて以来
手軽に購入できるストリートフードとして人気

フィリピン最大の小売りチェーングループ『シューマート』がスーパーマーケットの横のキオスクでバナナトロンを売り出し、2015年発売開始以来ヒット商品になった。長さ20センチ、直径5センチ、1本あたり25ペソ(約55円)で販売されており、売り上げは2年間で4200万ペソになるなど、口込みで広がりブームになっている。シューマートはフィリピンで2023年春現在79店舗あり、小さなキオスクの売り上げとしては巨額の数字となっている。シューマート・メガモール店のトロンの売り子マリアさんに1日の売り上げを聞いたところ、1日約800本、休日は約1,000本近く売れることがあるという。4本買っていたお客さんに聞いたところ、「とにかく手軽に変えるし、シューマートのトロンは味がオリジナルと紫芋のペースト(ウベジャム)入り、チョコナッツ(ナッツ原料のチョコレート)入りの3種類があって、美味しい」とのこと。庶民的なおやつが場所とアイデアで億単位の売り上げを上げ、大ヒット商品になっている。