美容・健康

コロナ禍を経て高まるフィリピンの若者の健康志向/学校でのサポートが充実・ジム利用が拡大中!

フィリピン
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コロナ禍による精神的な不安から
身体の健康にも注意を払うZ世代

コロナ禍の厳しい規制により、心身の健康が損なわれた若者が多かったフィリピン。Z世代の間では将来への不安や経済的な問題による心労を抱えがちで、身近な人が精神的な不調を抱える姿を目にすることも少なくなかった。そのためアフターコロナの現在も心身の健康に敏感になっている。この状況を受けて、一部の私立学校は悩みや心の不調に対応し、カウンセリングを提供するようになってきている。
Z世代は心の健康だけでなく、身体の健康にも注意を払うようになってきた。あるZ世代の男性は「コロナで重症化したケースは成人病を持つ人が多かった。フィリピンの従来の食文化は不健康だと感じ、運動不足による不調も多い状況に危機感を持っている」と述べた。別のZ世代の男性は「フィリピンの中高年を見ると、お腹が出た体型が多い。自分たちはそうなりたくない」と話す。このような美意識はアメリカや韓国の芸能人たちがインフルエンサーとしてフィリピンのZ世代に影響を与えている結果であり、彼らのようなファッションやスタイルを楽しみたいという願望から、体型を意識するZ世代が増えている。自由を制限されて不調を経験したZ世代の健康意識や美意識の高まりにより、コロナ禍の規制で閉鎖されていたスポーツジムは営業を再開し、賑わいをみせている。

アジアでも短い平均寿命、健康サポートのため
サプリメントを摂取する人が増加傾向

コロナ禍においてフィリピンでは厳しい規制が敷かれた。2020年3月末、ドゥテルテ前大統領がロックダウンを発表し、外出制限を施行した。学生たちは登校禁止となり、自宅でのオンライン授業へと移行。多くの企業がコロナの影響で倒産や廃業を余儀なくされ、経済面でも多くの人が苦しんだ。政府からの援助が十分でなかったこともあり、将来を悲観する若者が少なくなかった。このようなコロナ禍の体験が、Z世代の心身の健康に対する意識の高まりに大きく影響している。
人口の平均年齢が25歳と若いフィリピンでは、人口比率も若い世代が多く、今後人口が減少する可能性は低いが、それだけに若い世代への期待が高まっている。平均年齢が若いことはプラスの面もあるが、一方で平均寿命は日本の85歳に比べて72歳(世界銀行調査、男性67歳、女性76歳)と短く、健康面での課題も抱えている。コロナで重症化の原因が肥満や持病であると言われたことも、若者たちの健康意識を高める要因となった。フィリピン人は主食の米と揚げ物の肉料理を主に食べるため、野菜を摂取することが少ない。そのため近年、サプリメントでビタミンやカルシウムを摂取する人が増えている。