歓楽街のイメージから多国籍な文化を
感じられる街へ変化するポブラシオン
ポブラシオンは、フィリピン・マニラのマカティ地区のオフィス街と住宅街の間に位置するエリアで、90年代から外国人が集まる場所として発展してきた。ヨーロッパ風のカフェやバーが多く、特に夜の歓楽街としてのイメージが強かったが、近年では住宅街の中に韓国料理店やスパ、カフェなどが増え、多国籍な文化が共存する場所として変化してきた。また、韓国ドラマブームと重なり、ナイトライフ以外の目的で訪れる人々も増えている。高層ビルが少なく、一軒家を改装したカフェやレストランが多いため、落ち着いた雰囲気の中で多国籍な料理を楽しめる場所としてZ世代の若者たちの間で人気が高まっている。駐車場や公共交通機関が乏しいが、「バイクタクシーを利用すれば行きやすい」、「運転していくとアルコールは飲めないが、バイクタクシーだと夜遅くまで楽しめる」といった声がある。コロナ禍で増加したバイクタクシーの利用が、こうした若者の集まりやすさに影響している。
クラフトビールや個性的な料理が楽しめる
Z世代が仕事帰りに集まる場所として人気
コロナ禍で歓楽街が減少し、家族で訪れやすいレストランが増えたことも、ポブラシオンが注目される理由の一つとなっている。それらの店舗はパンデミック中はデリバリーを活用して営業を続け、外出が再開されるとZ世代が仕事帰りに集まる場所として人気を集めた。外国人旅行者向けのヨーロッパ風カフェが元々あり、多様な食文化が楽しめるこのエリアには、クラフトビールや個性的な料理を提供する独自の店が多く、雑誌やテレビ番組でも取り上げられている。新たなレストランも次々に出店し、マニラの高級レストランと並んでレストラントップ10にランクインすることもある。Z世代は、ポブラシオンを「BGC(ボニファシオ・グローバルシティ)エリアのような高級感や大規模なパーティー感とは違い、居心地の良い、落ち着いた場所」と評価しており、海外の影響を受けた多様な文化が共存する点に魅力を感じているという。
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