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若者の漢方離れが進む台湾/美味しく摂取できる漢方スイーツが次々と登場!

台湾
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チョコレートやソフトクリームなど
漢方を使用したスイーツが登場

台湾の「中藥商全聯會(漢方薬商全協会)」の会長による発表では、経営者や消費者の高齢化が原因で台湾の漢方薬局は30年ほど前から毎年600軒のペースで減少している。現在、Z世代の漢方離れが深刻化しており、漢方薬局や漢方製造メーカーからは、漢方をより消費者の身近に感じてもらおうと、2,3年程前から漢方スイーツなど次々と新たな商品が生まれている。

2025年1月にオープンした台南にある漢方スイーツ店「漢菓方(ハングォファン)」では、漢方を使用したスイーツを取り入れることで、若者客の増加を図っている。枸杞や棗、マカ、高麗人蔘を配合したチョコレートが人気。月経中の女性の為に作られたタイプや、夜更かしや残業による疲れの解消を目的としたタイプ、目の健康維持を目的にしたタイプなど用途別に展開し、それぞれ1袋約260元から販売している。現在までに1万個を販売している。

その他にも台湾の離島「金門島(ジンメンダオ)」の名産である生薬『一條根(イーティャオガン)』を配合したバームや湿布を販売する、100年ほど続く老舗企業「王大夫一條根(ワンダーフーイーティャオガン)」は海外からの観光客や若者が集まる台北のショッピングエリア永康街(ヨンカンジエ)に台北初の旗艦店を2025年6月にオープンした。肩こりや腰痛、頭痛に効き目があるとされる一條根を配合したソフトクリーム(95元)を販売し、連日多くの客で賑わっている。これらの漢方スイーツはZ世代から「手軽に美容や健康に良い漢方を摂取できるし、本格的な漢方よりも、摂取しやすいのが嬉しい」と好評だ。

漢方離れが進む若年層に変化の兆し
手軽に利用できる漢方スイーツに効果を期待

漢菓方の創業者である黃柏鈞(ホァンボージュン)氏は実家が漢方薬局を営んでいた関係で幼い頃から多くの台湾人が漢方で体調を改善してきたのを目にしている。しかしながら客のほとんどが高齢者で、若者は漢方を敬遠しつつあるのを問題視していた。漢方チョコレートは、スーパーなどで購入できる健康食品とは違い、「漢方のプロが作っている」という点で、効き目を期待する消費者も多く、人気に繋がっているようだ。

漢方は台湾の伝統文化の1つでもあり、台湾全体として独自の文化を守ろうとする動きもヒット要因としてあげられる。漢方離れが進むものの、元々習慣として漢方が生活に根付いているため、メディアに取り上げられたり、またインスタグラムの投稿などSNSで拡散されたりすることで若者層に広がっている。

また、Z世代も仕事や学業による疲れやストレス、スマホ、パソコンの使い過ぎによる目の疲れなどの身体の不調を感じることもあり、「苦くて摂取しづらい」というイメージの漢方を、スイーツという形で摂取できる手軽さがウケているようだ。スタイリッシュなパッケージやおしゃれな店舗もSNS映えして話題となり、またプレゼントとして購入する人も多い。長く続く健康ブームから、漢方チョコレートや生薬のソフトクリームを筆頭に、これからまた新たな商品が生まれるであろう。