築100年以上の建物をほどよく改装した
新旧の融合した店舗が続々と登場
次々に新しいコンドミニアムやモールが建設され、どんどん洗練された都市へと生まれ変わっているバンコク。その一方で、王宮やワットポー、ワットアルンなどの3大寺院や中華街がある旧市街エリアに関しては、築100年以上の古い建物を建て壊すことなく、そのレトロな風貌を生かしつつリノベーションした古さと新しさが融合したおしゃれなカフェやレストランが続々と登場している。2023年春に、一番話題となっている店は中華街の中にある「Rong Klang Nuea 牛面王」というビーフヌードルの店。築100年を超えるショップハウスをほどよく改装し、ノスタルジックな中にほんの少しだけ漂う今っぽさが潔くてかっこいいと若者を中心に人気となっている。2022年10月にオープンしたばかりだが、大鍋で何時間も煮込んだとろとろな牛肉がおいしいと大評判で行列が絶えない人気店に。また、2022年7月にオープンした築150年を以上前の印刷所跡地を改装したブランチカフェ&レストラン「iM En Ville」は、美しい装飾で知られる「ワット・ラーチャボピット」を眺められるとあり、地元民だけでなく観光客の間でも話題となっている。こちらも元の建物が持つ古さを生かしつつ、効果的にリノベーションしているのが特徴。
この投稿をInstagramで見る
古い建物が持つ独特な雰囲気を残し、
古さを新鮮に感じるZ世代を中心に人気
バンコク旧市街を中心に、数年前よりリノベーション系カフェやレストランが多く登場している。近頃の流れとしては、キレイにすべてを改装するのではなく、建物が持つ古さを生かした必要最低限のリノベーションに留めて、新旧が絶妙に融合した唯一無二の空間を作り上げていることが特徴的。その流れの根源となっているのが「Craftsman Roastery & Brew Bar」。2018年、タイの名門美術大学・シラパコーン大学の創始者のコロニアル風のレトロな邸宅を利用したカフェをオープンした後、21年~22年年末までは築127年の印刷所の工場に移り、カフェを営業。ほぼ必要最低限の改装しかしていないものの大胆な空間作りが話題を呼び、多くの人が足を運んだ。現在はまたさらに違う元鋼工場へと移動。オーナーは海外留学などで改めて自国の文化の素晴らしさに気付き、歴史的建造物を残したいと考える層や、古いものが逆に新鮮と思うZ世代を中心に人気となっている。