キャンプ場やエコビレッジに泊まり
アクティビティを楽しむ
ベトナムでは近年観光分野の発展が目覚ましく、ベトナム観光総局によると、外国人観光客、国内観光客ともに、2010年頃から右肩あがりで、COVID-19の流行前には、ベトナム経済を牽引する存在になっていた。
そんな中、自然や環境に配慮した宿泊施設が増加し、人気を集めている。自然の中の宿泊施設で過ごす近代型キャンプ場やエコヴィレッジ、農場に宿泊し、リラクゼーションや様々なアクティビティを通して、自然環境や農業について体験したり学んだりするスタイルの旅行は、若者だけではなく高齢者にも人気がある。
グリーンツーリズムやファームステイの増加は、利用者に環境に対する学びや意識の変化をもたらすだけでなく、農村地域の人々に農作物以外の収入の増加や、今までなら廃棄になっていた農産物の流通や活用にも繋がっていくと考えられている。
ベトナム政府が持続可能な
観光の発展を目標に設定
ベトナムでは、2017年にSDGsを考慮し、4つの重点分野で構成されるOSP(The One Strategic Plan/一体的で戦略的な計画)が策定された。その中に、環境の持続可能性の強化と包括的な労働市場の創設と機会の拡大なども含まれている。ベトナムでは、まだSDGsは一部の意識や感度の高い人や企業のみが取り組んでいる状態だが、若者を中心に関心持つ人は増えている。グリーンツーリズムも同様で、気候変動や多発する自然災害により、若者を中心に注目されるようになった。その結果、キャンプやファームステイなどの新しい旅行の形が好まれるようになってきている。
ベトナムには多様な自然資源、27,289,454haもの農地、全国に35,000以上の農場があり、グリーンツーリズムやファームステイによる持続可能な観光や農業を通して、持続可能な農業や環境保護と貧困の解消が実現できる可能性がある。ベトナムの観光地では、観光需要の高まりとともに廃棄物などによる環境への影響や負荷、増加する電力消費、自然環境の破壊などの悪影響が発生したが、ベトナム政府が自然にやさしく持続可能な観光の発展を目標に設定したこともあり、環境の課題に取り組むようになってきている。