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時短で便利!ベトナムで話題の自熱式食品「Cơm tự sôi」/国産製品登場で広がる選択肢

ベトナム
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中国メーカーの自熱式食品を皮切りに
国産製品も登場、市場が拡大傾向

ベトナムのZ世代を中心に「Cơm tự sôi(自熱式食品)」が急速に普及している。自熱式食品とは、水と発熱剤を容器に入れるだけで、火を使わずに温かい食事が楽しめるという画期的な食品。トレンドのきっかけとなったのは日本にも展開をしている「Halidao(海底捞)」による中国製の自熱式食品で、豊富なバリエーションと手軽さで若者の心を掴んだ。さらに、この流行をきっかけにベトナムの大手食品メーカー「Omachi」も2024年4月に自熱式食品市場に参入。

「Masan Group」のブランドである「Omachi」は、10~15万ドン(約590~880円)の価格で自熱式食品を販売。蟹と牛肉の鍋「Lau Bap Bo Rieu Cua」やスパイシー海鮮鍋「Lau Hai San Chua Cay」など若いベトナム人好みの味を中心としやラインナップになっており、それぞれ約10万ドン(約590円)と2人で食べるなら手も出しやすい価格だ。国産製品の選択肢が増えたことで人気は加速した。忙しい毎日を送る共働き世帯や一人暮らしの若者にとって、時間や場所を選ばずに温かい食事ができるという点が大きな魅力。共働き世帯の増加や、忙しい日常を送る若者にとって、時短・簡単に温かい食事ができる自熱式食品は、まさに理想的な選択肢と言える。まだベトナム国内での自熱式食品の販売は始まったばかりだが、その利便性と多様性から、今後さらに市場が拡大していくことが予想される。

都市部に暮らす若者の時短ニーズに合致
SNSでの実食動画なども相まり、定着する兆し

このトレンドの背景には、Z世代のライフスタイルの変化とSNSを通じた情報拡散が大きく影響している。家族で食卓を囲んでいる印象が強いベトナムだが、近年、都心部を中心に共働き世帯が増加し、若者世代は多忙な日々を送っている。そのため、手軽に温かい食事ができる「Cơm tự sôi(自熱式食品)」は、時短ニーズに合致し、瞬く間に支持を集めた。特にTikTokやInstagramなどのSNSでは、自熱式食品の開封動画や実食レビューが多数投稿され、その手軽さと美味しさが拡散。SNSで話題になったことで、若者たちの間で自熱式食品を試すことが一種のステータスとなり、トレンドを加速させた。


実際に、ベトナム人男性へのインタビューでは、「値段は少し高いけど、簡単に温かいご飯が食べられて便利」「時間がない若い社会人にもぴったり」といった声があがっている。国産製品の選択肢が増えたことも、トレンドを後押ししたと考えられる。Z世代のライフスタイルの変化とSNS拡散、そして国産メーカーの参入が相まって、今後もさらに拡大していくことが予想される。