中高年層の口コミが若者の間で広まるなど
再びヒット・注目される商品が増加
中国のSNSなどで話題になっているキーワードは「翻紅」(直訳すると「再びヒットする」)。食品分野においては、健康的なドリンクが注目を集めている一方で、一度撤退したタピオカミルクティー店「鹿角巷(THE ALLEY)」が都市部を中心に再び店舗を増やしており、新規参入する店舗も増加している。また、2024年5月には、90年代にテレビショッピングで頻繁に紹介されていた「背背佳(姿勢補正ベルト)」が3か月で1億元(約21.6億円)を売り上げ、経済ニュースで「翻紅」という言葉とともに連日報じられた。さらに、老舗コスメメーカー「謝馥春」のおしろい(「何年使ってもなくならない」)や、老舗家電メーカー「威力」の洗濯機(「1997年製造の洗濯機が壊れずに今も使い続けられている」)など、実際に長く使い続けている中高年層の口コミが若者の間で広まり、注目される例も増えている。
普段の消費行動を見直す人が増加
流行りに流されず個人の嗜好を重視
ニュースでは「日々新商品が紹介され、消費者が何を選べばよいかわからず疲弊している」という論調が多く見られる。SNSでは「液体洗濯洗剤が主流になっているけれど、実際には粉の洗剤のほうが汚れがよく落ちるのではないか」といった口コミも増えており、なぜ新商品を追随していたのかと自分の消費行動を見直す人が増えている。その背景には不景気の影響があるとみられる。新しいものにすぐ飛びつく人が減少し、「本当にそれが良いのか」を考えてから購入する人が増加。「ブームに流されるのではなく、自分が本当に好きかどうか」を基準に選ぶ消費行動が主流となっている。たとえば、タピオカミルクティーは「流行っているから」ではなく、「味が好きだから」と再び購入する人たちが戻ってくるなど、より個人の嗜好に基づく選択が顕著になっている。