マーケティング・リサーチ

【国民性×消費行動 Vol.3】競争と自己表現が生み出す消費/中国・韓国・ベトナム・アメリカの国民性

アジア複数国
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世界各国で生まれているトレンドやヒット商品の背景には、その国ならではの価値観やライフスタイルが存在します。株式会社インテージが運営する海外市場調査のナレッジメディア「Global Market Surfer」では、生活者のリアルな姿から国民性を読み解く【海外各国の国民性】コラムを連載しています。

本記事では、その中から中国、韓国、ベトナム、アメリカの4か国をピックアップ。それぞれの国で暮らす人々の価値観や国民性が、日々の暮らしや消費行動にどのように表れているのかをご紹介します。

【中国】 過酷な競争を勝ち抜く「結果最短化」

中国の都市部では、熾烈な競争社会を背景に、あらゆる場面で「結果最短化」が追求される傾向にあります。これは単なる効率化ではなく、目標達成までの時間そのものを短縮し、最短で成果にたどり着こうとする思考です。この国民性は移動手段にも表れており、渋滞を回避しながらドアツードアで目的地に着ける電動バイクが、生活インフラとして定着しています。

家電においても、人の判断や作業を省く自動調理器や、2秒で注水できる浄水器など、待たずに使える設計が好まれます。一方で、最終的な購入判断では、比較検討の時間を短縮するために「信頼できる知人の声」が重視される点も特徴です。テクノロジーと人間関係を使い分けながら、最短距離で納得できる選択にたどり着く。それが中国流の消費スタイルといえます。

【韓国】 ステータスを維持する「パルリパルリ」

韓国社会を象徴する「パルリパルリ(早く早く)」の精神は、急速な経済成長の中で育まれた、「速さそのものに価値がある」という考え方です。この気質は世界有数のキャッシュレス社会を後押しし、注文と同時に決済が完了するキオスクや、深夜に注文した商品が翌朝には届く超高速配送など、スピードを前提としたサービスが日常に浸透しています。

一方で、高い競争意識から「周囲と比べて平均以上でありたい」という価値観も根強く、消費行動にも大きな影響を与えています。例えば、冬の街を埋め尽くす特定ブランドの「黒いダウンコート」は、流行に乗ることで周囲との一体感を保ちながら、自分のステータスを示すアイテムとなっています。韓国では、「迅速な結果」と「周囲からの評価」を同時に満たすことが、消費を動かす大きな原動力となっています。

【ベトナム】 未来を切り拓く「不屈のプライド」

ベトナムを突き動かしているのは、大国に勝利してきた歴史に裏打ちされた「不屈のプライド」と強い上昇志向です。この揺るぎない自己肯定感は、変化への高い適応力にもつながっています。不便だと感じればバイクからメトロへ、ガソリンからEVへと、過去の習慣に固執せず、新しいインフラやサービスを柔軟に取り入れていきます。

消費においては、単なる品質以上に、「自立した、かっこいい自分」を演出できる体験価値が重視されます。伝統衣装のアオザイをモダンに再解釈して日常のファッションに取り入れる、あるいは「おまかせ」レストランで特別なストーリーを楽しむなど、外来文化を柔軟に吸収しながら、自国のアイデンティティも進化させています。こうした姿勢から、パワフルでポジティブな消費トレンドが次々と生まれています。

【アメリカ・LA】 自立した個人の「見える健康」

ロサンゼルスで顕著なのが、「Visible Wellness(見える健康)」という価値観です。自立と合理性を重んじる文化の中で、健康管理は単なる自己管理ではなく、自分の価値観やライフスタイルを表現する手段として捉えられています。

例えば、1杯3,000円ほどする高級スーパーのスムージーを持ち歩くことは、単に健康的な飲み物を選ぶというだけでなく、成分やブランドの理念に共感する自分を周囲に示す自己表現にもなっています。
また、ヨガウェアを日常着として取り入れるアスレジャーも、自分の身体や健康に投資する姿勢を可視化するライフスタイルとして定着しています。他人の目よりも、自分が納得できる選択や快適さを重視し、サプリメントやウェルネスサービスを積極的に取り入れて身体を最適化していく――こうした自己決定に基づく消費行動が、ロサンゼルスらしいトレンドを生み出しています。

今回紹介した4か国は、社会的な競争、周囲からの評価、未来への上昇志向、徹底した自己管理など、それぞれ異なる背景を持っています。しかし共通しているのは、現状にとどまらず、自分自身や暮らしをより良くアップデートしようとする姿勢です。トレンドやヒット商品の表面的な特徴だけでなく、その背景にある価値観や国民性を読み解くことが、変化し続ける海外市場を理解するための重要な視点になるでしょう。

各国の国民性が、どのように具体的なトレンドや消費行動につながっているのか。より詳しい背景や分析については、株式会社インテージが運営する海外市場調査のナレッジメディアGlobal Market Surferで紹介しています。詳細は以下の各国記事をご覧ください。

中国:https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/938

韓国:https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/640

ベトナム:https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/639

アメリカ:https://www.global-market-surfer.com/pickup/detail/651