2021年6月24日、アジアトレンドラボ主催にて、「韓国・ソウル/トレンドセミナー2021」をオンラインで開催しました。国内外でビジネス展開、またはご検討をされているトレンドラボ会員を中心にお集まりいただきました。また今回は、DICカラーデザイン株式会社さよりカラーマーケティングプロデューサーの川村雅徳氏をゲストに迎え、アジアカラートレンドブックのご紹介とともに、韓国トレンド事例も解説いただきました。
アジア各国へのトレンドのベンチマークとなっている韓国のトレンドはアジア市場を見ていく上では欠かせない存在になっています。
今回はそんな韓国のトレンドを先日のイベントの様子とともにお届けします。
【概要】
日時:2021年6月24日(木)
会場:オンライン(Zoom)
テーマ:『韓国に2021年2月にオープンしたThe Hyundai Seoulから見る韓国トレンド2021』
▼登壇者
・株式会社TNC 取締役副社長 木下朋
・株式会社TNC アジアトレンドラボ/DX担当 上木原圭一郎
▼ゲストスピーカー
・DICカラーデザイン株式会社 カラーマーケティングプロデューサー 川村雅徳
韓国のミレニアル・Z世代を魅了するThe Hyundai Seoulとは
今回のセミナーでは2021年2月末にオープンした、Hyundai Seoul百貨店を中心に現地取材した内容をお届けする予定です。ソウル市内では2011年のロッテデパート金浦店オープン以来、約10年ぶりの新しいデパートとなり、総営業面積2万7000坪とソウル市内最大規模。オープンと同時に100万人が訪れ、6日間で370憶ウォンの売上を記録。この数字だけでもその話題の高さがうかがえる、話題の百貨店になります。
そんな今韓国で話題を呼んでいる百貨店の特徴はどうだったのでしょうか。
ウェビナー当日のスライドから一部を抜粋してに振り返っていきます。
<都会のオアシス的百貨店はハイセンスな自撮りスポットに>
ここ『THE HUNDAI SEOUL』は既存の韓国のデパート、ありとあらゆるものがぎっしりと詰まった『Big box store』から逸脱しました。ショッピングだけでなく、休息やエンターテインメントの要素も加味されています。 天井をガラス張りにし、1階から最上階まで吹き抜け構造になっているため、地下を除いた全フロアに自然光が差し込み解放感もたっぷり。通路は一部を除きベビーカー8台分の幅をとっているほどゆったりとした広い空間が広がっています。あちこちに緑があふれ、5階には光と音楽と緑に癒される1,000坪規模の室内庭園『SOUND FOREST』が子供連れやカップルたちの憩いの場として、またショッピング途中の休憩にも最適。レストランや休憩スペースも観葉植物に囲まれています。そのほか、1階入口付近には12mの高さから水が流れ落ちる人工滝と緑が調和した『WATERFALL GARDEN』を配置し、コスメやジュエリー店が所せましのと並ぶ既存のデパートとの差別化を図りました。
<MZ世代が熱狂する持続可能性ファッションブランド『ARKET』アジア一号店がオープン>
MZ世代ターゲットフロア、地下2階でも広い売場面積(約750㎡ )を占める、MZ世代に人気のライフスタイルファッションブランド『ARKET』。ミニマルな持続可能なファッションを追求するH&Mグループのプレミアムブランドであり、国内初、アジア初、ここ『THE HUNDAI SEOUL』に進出とあって、オープンから若者たちが行列をなしました。スウェーデンストックホルム発、ノルディックライフスタイルブランドとして、モダンでユニークなコンセプトで多様な商品を幅広く扱っており、MZ世代の価値観とも一致する持続可能を最も重要な価値とする『ARKET』は長い間使えるようにデザインしたコレクションを発表、自然に残された足跡を最小化し、シーズンに限らないスタイルを追及しています。ファッション、フード、旅行、機能性ホームアイテムなどライフスタイル全般の商品を扱っている。お店の一角にはカフェもあり、ショッピングの合間に一休みもできるのも嬉しいポイント。
<グローバルトレンドを反映させた約4,500坪の国内最大の食品館>
地下1階にはグローバルトレンドを反映させた約4,500坪の国内最大の食品館『テイスティーソウル』が広がります。全国各地から取り寄せた最上の食材を集めたプレミアム食品館『Tasty Seoul Market』、100年以上の歴史を誇る老舗レストランから今ホットな新参ブランドまで一所に集めた『フードストリート』、人気のカフェ・デザート店『ベーカリーパーク』、SNSで話題になっている‘噂のあの店’コーナー『デリパーク』など、国内外の話題店や人気店90店余りが入店しています。
写真は天丼専門店「まつのはな」は、ソウルで一番人気の天丼屋さんといえるほど若者に認知度の高い天丼屋。日本とは少し違った韓国アレンジされた天丼が特徴的ですね。
【まとめ】韓国のミレニアル・Z世代のポイント
今回のアジアトレンドラボでは、コロナ禍のソウルを話題の百貨店『The Hyundai Seoul』から読み解いてみました。韓国では、コロナ禍により今までの生活から180度変わったといえます。日本よりも比較的人と人の距離感が近い韓国で、『ソーシャルディスタンス』は若者たちの個人主義を助長させ、一人ごはん、一人家飲みが増え、オフラインでの人と人との直接のつながりが薄まっている傾向にもあります。
コロナ初期は戸惑いもあった中、長期化により若者は自分たちの価値観で自分の趣向に合ったものを追求し続ける順応力を備えているという印象があり、コロナ長期化の中で、自分のライフスタイルを維持するために前進し続ける、そんな若者の姿が現れています。マスク生活が長引けば、自分の個性を主張するためアイメイクに凝り、外食が制限されるなら、好きな食べ物を、必要であれば装備を整えて自分で作ってみたり、遊びながら新メニューを開発したり、自分で楽しめる世代であり、自己開発にも余念がなく、オンラインコミュニティやサロンなど様々なメディアを利用して自分の趣味や学びの努力も惜しまないのが韓国Z世代の特徴です。
また、ただ自分が健康になるためだけでなく、地球環境を考えたエシカル消費やサステイナビリティといった文脈も意識をしたうえで、自分の健康も守ろうとする信念が根底にあります。これはライフスタイルすべてにおいて一貫しているといえるのではないでしょうか。
TNCアジアトレンドラボでは、時代に合わせて目まぐるしく変化を遂げるアジアの現地トレンドを、今後もスピード感を持ってお伝えしていきます。今後もこのようなイベントやセミナーなどを実施していく予定です。日本にいながら現地トレンドを肌で感じていただき、商品開発や新サービス開発などのヒントとなる良い機会になればと考えております。皆様のご参加をぜひお待ちしております。
今回のウェビナーなどで興味がわいた方や、ご都合により参加が出来なかったかたなど、TNCアジアトレンドラボでは、個別に今回の資料のご提供も行っております.
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