美容・健康

薬草サウナ「チュポン」が人気/ カンボジア伝統医療が再評価

カンボジア
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家庭で行っていた伝統医療を
現在は店で行うのが主流に

カンボジアの伝統医療である「チュポン」は、レモングラスなど10~20種類の薬草を煮詰め、その蒸気を利用したハーバル・スチーム・サウナだ。体力回復や美肌効果、デトックスの作用などが期待でき、産後の女性や高齢者、また喘息持ちなど年代世代を問わず、さまざまな人に効果がみられる。家庭では、薬草を煮詰めた素焼きのツボを抱え、布をかぶることでチュポンを行っていたが、昨今は材料そのものや、煮詰める作業手順を知る人が少なくなったため、店で行うことが主流だ。シェムリアップ市内にある「Ponlei Thamacheat Traditional Steam」は、もともと観光客や在住外国人に向けて、オーガニックコスメや伝統医療を紹介するためにオープンした。しかし予想に反して、カンボジア人女性へ口コミが広まり、現在では客の90%はカンボジア人だという。価格もPonlei=ターメリックのパック&チュポンセットで一人5ドル(約547円)~と手ごろなのが人気の秘訣である。ホテル内スパなどでも観光客向けのチュポンメニューを有するところが増えており、伝統医療が改めて浸透してきている。

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クル・クメールの薬や
スーパーフード・薬草も見直されている

カンボジアには1,000年前のアンコール王朝時代から、「クル・クメール=カンボジアの医者」と呼ばれる伝統医療師が存在する。植物の木や根、葉や実などを原料とした薬を作り、患者の心身状態に合わせて調合し、処方する。現代では西洋医学の医者を頼る人がほとんどだが、年配者はクル・クメールが処方した薬草茶を定期的に飲むことで、心身の健康を維持している人も多い。クル・クメールの処方する薬は、お茶として飲むタイプ、肌に塗るタイプ、サウナなどで呼吸器から毛細血管へ働きかけるタイプなどさまざまだ。また、スピルリナやモリンガのお茶や、薬草パックや薬草サウナなどもカンボジア人に再度見直されてきている。

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