商業省の新たな取り組み
Phnom Penn Kuyteav
カンボジア定番の朝食「クイティウ」は、干しエビや、牛肉を骨ごと煮込み、出汁を取った透明なスープに、米粉から作られた細麺を入れたニンニクの効いたヌードルスープだ。2019年10月、カンボジア商業省はクイティウの認知度を世界に広めるため、「Phnom Penh Kuyteav」という新たなブランディングの取り組みを発表、同名で商標登録を行った。この取り組みは、カンボジア料理人協会に登録しているシェフが、クイティウに使用する素材、レシピ、衛生状態など一定の基準を満たしていれば「Phnom Penh Kuyteav」の商標やロゴの使用が許可されるというものだ。
この発表に後押しされるように、イオンモールに直営店のあるクイティウレストラン「Uy Kuyteav」は、国内外へフランチャイズ事業を展開していくことを発表、1号店をカンボジア国内に2020年の4~6月頃を目途に開店する予定だ。またインスタント市場でも、ベトナムエースコックから発売されている「GOOD」ブランドのPhnom Penh Styleというクイティウ麺(1袋0.5ドル/約53円程度)に人気が集まっており、箱で買っていく人も多い。今後もクイティウを広めていく取り組みが増えていくことが見込まれる。
基準の画一化で国民食としての
麺料理の地位確立を目指す
クイティウは、麺もスープも具材も、各店やシェフによって様々な工夫がされていたが、カンボジア政府は、商業省主導で、ある程度画一化し、タイのパッタイ、ベトナムのフォーといったように、パッと思い浮かべてもらえるカンボジアの代表的な麺料理としての地位を確立させ、国内外へ広めていこうと画策している。