バトミントンがかっこいいスポーツとして注目
専用コートも増加し、地方都市へ拡大
カンボジアで若者に人気のスポーツといえば断然サッカー、続いてバレーボールだったが、昨今Z世代の間でバドミントンの人気が急浮上している。元々公園や自宅の前で、夕暮れ時に家族や友だちとの“遊び”として楽しまれていたバドミントンが、スポーツとして注目されてきた。日中は気温が35度を超え、スポーツどころではないカンボジアだが、ここ数年でバドミントン専用の室内コートが首都プノンペンに登場し、2025年からバッタンバン等の地方都市にも設置され、20代の若者を中心にバドミントンが“かっこいいスポーツ”と変化している。カンボジア人女性でインフルエンサーのKalyaneyさんの影響もある。彼女自身がバドミントンを楽しみつつ、おすすめのラケット(Yonex ASTROX 88D/199USドル)の紹介などもしている。紹介されるラケットは決して安いものではないため、多くの人にとって憧れの商品となっている。
Z世代へのヒアリングでは、「健康のために何かスポーツをやりたいので、バドミントンかピックルボールかなと思っている」と言う。友だちや兄弟がやっているバドミントンが魅力的だが、Kalyaneyさんがこれまで推していたバドミントンに加え、ピックルボールの紹介を始めたことで、流行への感度が高いZ世代が飛びつき、2025年になり、「pickle monster」のような専用コートも次々と登場している。
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東南アジア競技大会を機に
スポーツ熱が高まるカンボジア
カンボジアの公立学校には、まだ体育のカリキュラムがない。しかし、国民の健康を促進するめるために教育・青年・スポーツ省は2025年から小学校から高校まで週に1時間の保健教育の導入を開始し、次は体育の導入を目指している。また、2023年の東南アジアのスポーツ大会(SEA GAMES)では、カンボジアが初めて主催国となり、国民のスポーツ熱を高めるきっかけとなった。これまでカンボジア人にとってスポーツは “男性がやるもの”というイメージがあったが、若い女性のインフルエンサーの影響や室内練習場といった施設の充実で女性でも気軽にできるバドミントンのブームに火がついた。ジェンダーに対する意識が開放的なZ世代の女性の参入がブームを後押ししている。スポーツ用品取扱店でもバドミントングッズが売り場面積の多くを占めている。





