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EV大手「BYD」がリードする中国電気自動車市場/上海市による優遇政策がEV普及を促進

中国
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安全・信頼性で好評の中国EV「BYD」
上海の電気自動車普及率は40%超

中国における電気自動車市場は、近年急速に成長しており、若い世代にも電気自動車が支持されている。また、行政も電気自動車の普及を促進しており、上海では電気自動車の市場普及率が40%を超えており、2025年には50%を上回ると予想されている。電気自動車のリーダーブランドである「BYD」(比亚迪)は、2023年4月の販売台数が209,467台、1月~4月の累計販売台数は757,384台に達し、その人気は圧倒的である。その他のブランドでは、安徽省の「奇瑞集团」は1月~4月の累計販売台数は457,048台、広州の「AION」(埃安)は同期間の累計販売台数が121,320台と、それぞれ堅調な売上を見せており、BYDを追随している。ガソリン車からBYDの人気車種「BYD Song」に乗り換えた30代男性に話を聞いたところ、「BYDは車内空間が広く、内装のデザインも良いと思う。ハンドルが軽くて運転しやすいところも評価している」ということであった。車外にいてもバッテリー残量の確認やトランクの開閉、エアコンのスイッチのオンオフなどの遠隔操作ができるのも魅力だという。また、BYDはもともと電池やバッテリーのメーカーとして誕生したため、独自のリチウム鉄リン酸電池など、安全性への信頼が高い。

免税や補助金、ナンバープレート規制など
上海市のEV優遇政策が利用者拡大を後押し

上海市人民政府は、電気自動車の普及を促進するため、優遇政策(上海市提信心扩需求稳增长促发展行动方案)を発表。2023年1月1日から12月31日までの期間、電気自動車、プラグインハイブリッドカー、燃料電池車は、自動車取得税が免税となることが発表された(車両リストに含まれている車種) 。また、ガソリン車から電気自動車への乗り換えを促すため、1万元の補助金が提供される。この補助金は、もともと2022年末まで実施されていたものだが、2023年6月30日まで延長された。さらに、電気自動車の購入者に対して、メンテナンスサービスが受けられるキャンペーンも行っている。また、上海市では渋滞緩和という目的もあって、ナンバープレートによる制限もある。祝日を除く午前7時から20時までの時間帯に高速道路を利用するためには、上海市発行のナンバープレートが必要。エンジン自動車のナンバープレート新規取得は抽選方式になっていて、当選確率は20%以下。そのうえ取得するのには、9万元~10元ほどの費用が必要になっている。その反面電気自動車のナンバープレートは、一定の条件を満たせば一人につき1枚のみ無料で取得することが可能となっている。これらの制度により、多くの人が電気自動車への乗り換えを検討し、電気自動車市場は拡大を続けている。