雲南発中国茶ミルクティーブランド
国内外で売り上げ・店舗数を拡大
2017年雲南発の中国茶を使ったミルクティーブランド「覇王茶姫(バワンチャジ)」。中国の伝統的な文化とモダンなデザインを統合させた独特なカップが若い女性の目を引いている。現在店舗数は4,500店以上で、海外ではマレーシア、アメリカ、シンガポールに進出している。2023年通年、売り上げ108億元に至り、2024年は、200億元を超えると予想されている(価格は1杯15元、約300円程度)。オープン当初、中国国内ではフルーツ茶が盛んではあったが、消費者の健康志向は強い傾向にあり、当ブランドは商品の健康面をブランド発展の中心的な原動力としている。商品の栄養成分の表示やカロリー値も公表し、低糖、低カロリーを強調。フルーツ茶の材料が人工甘味料に依存しているのに対し、当ブランドは高品質なウーロン茶やジャスミン茶、ロンジン茶、プーアル茶などの多種にわたる伝統的な中国茶葉と新鮮な牛乳を使用することで、健康と美味しさを両立している。ミルクティのみならず、レモンやフルーツと合わせたお茶も販売している。2023年8月に北京初の店舗をオープンし、開業当日は2,000杯近くオーダーされ、待ち時間は5時間に及んだ。その後わずか半年で、北京で42店舗に拡大。「お茶+牛乳」は、「コーヒー+牛乳」と似ており、またカフェインを含むものもあることから気分を爽やかにし、飲み飽きないと話題になっている。
伝統的な中国茶をモダナイズすることで
コーヒーのような日常的に飲めるものへ移行中
2021年の研究報告によると、中国の消費者が摂取するカフェイン総量の90%はお茶から得られている。茶文化は中国に長い歴史があり、国民の圧倒的多数がお茶を飲む傾向にある。お茶とコーヒーは国民的飲料であるが、現代的な視点から見ると、中国茶はコーヒーから明らかに遅れをとっており、世界的なブランドはまだ誕生していない。コーヒーは時代に伴い、発展を遂げていったが、お茶製品は近代化されてこなかった。そこで、ミルクティのように若い人々が好んで飲むようなお茶の製品を制作。また、近代的な設備や管理ツールによって中国茶の管理方法を極めて標準化した。現代化とグローバル化を合わせた中国茶は、コーヒーのように誰もが毎日1杯飲む製品となることを目指し続ける。