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中国産ゲーム「黑神話悟空(Black Myth: Wukong)」が空前の大ヒット!聖地巡礼が急増

中国
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中国各地の名所を再現したことで大ヒット
ゲームの影響で観光地の訪問者も急増

日本のゲームファンの間でも話題となった2024年8月20に発売されたアクションロールプレイングゲーム「黑神话悟空(Black Myth: Wukong)」。タイトル通りゲームは孫悟空をを主役に、西遊記をモチーフにしたストーリーを展開。2025年2月現在、Steamで収益9億4400万ドル、Steam売上史上2位、現在最も高収入の有料ゲーム、中国国産の光と言われている。というのも、中国神話物語をベースに、陕西北部の説書などの無形文化財を取り入れ、山西玉皇廟、重慶大足石刻、浙江時思寺など全国の多くの名所古跡をモデルとしている。これは​中国文化の特色が濃い試みで、予想以上の注目を集めた。山西、重慶、浙江などの文化や旅行関係アカウントが次々と「悟空」関連の内容をSNSなどにアップし、実際の観光地からも、ゲームの背景を学ぶことができる。ゲームには約36カ所の撮影地があり、そのうちの27ヵ所は山西と言われている。中国のSNS小红书(RED)によると、山西省のゲームの撮影地の周り方を紹介しているアカウントも多く、大型連休時はゲームのヒット前と比べて旅行客が1.6倍に増えているとのデータもある。

西遊記を映画級の映像美で再現し、
国際的に評価の高いゲームタイトルに

『黑神话 悟空』が大ヒット(2025年1月10日時点で販売台数2,800万台、売上90億元超)した背景には、主に3つの理由が挙げられる。1つ目は、西遊記というテーマの魅力である。西遊記は中国文化そのものであり、主人公・孫悟空は中国人に深く親しまれた英雄である。『黑神话 悟空』は単に西遊記を再現するのではなく、登場人物に深い感情表現を与え、現代の価値観や人間性を融合したストーリー展開を行っている。これにより、中国国内のプレイヤーにとっては伝統文化の再創造となり、中国文化の価値を高める役割を果たした。一方、海外のプレイヤーにとっては中国文化への理解を深める機会となり、中国国内では「文化輸出」とも評価されている。2つ目は、圧倒的な映像の美しさである。映画レベルに匹敵する壮大でリアルなグラフィックがゲームへの没入感を高め、多くのプレイヤーを引きつけた。3つ目は、開発チームが当初からグローバル展開を意識していたことである。多言語対応の予告編の制作や国際ゲームショーへの積極的な出展により、世界中のプレイヤーから注目を集めることに成功した。また、東方文化という要素で他ゲームとの差別化を図ったことも奏功した。以上の点から、『黑神话 悟空』の大ヒットは、中国が誇る豊かな伝統文化と現代の科学技術が融合した結晶と言える。

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